中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　2003年12月10日に元中国衛生部中医管理局局長、全国名老中医専門家、主任医師の呂炳奎先生がお亡くなりになった。享年90歳。先生は「現代中医の父」と称されるほど、中医学の教育・発展にご尽力なされた。
　先生は1914年に上海市嘉定県出身。15歳から先生について中医学を勉強し、19歳で開業し臨床に携わってこられた。新「中国」が誕生後、江蘇省衛生庁庁長時代に南京に中国ではじめての中医病院を創設、さらに中医師を勉強するための学校も設立され、校長も歴任された。この学校からは200名に及ぶ人材が生まれ、今では中国全国各地で医療の最前線で活躍している。その後全国で使われる中医学の統一教科書27種類の編纂に携わり、中医学の教育と普及に尽力された。衛生部中医司司長に就任後は、1958年には西洋医師が中医学を勉強するための報告書を毛沢東に提出したり、70年代には中医学・西洋医学・中西結合医学の共存と発展に意見を出しておられる。80年代には中医医院の設立や中国の中医大学の教育問題に関しても深く関わっておられた。
　晩年は光明中医函受大学を設立して人材の育成に当たられたほか、2003年でのSARSの問題に関しても、中医薬を利用した予防・治療方案の策定にも関わられた。
　2003年12月21日に中国衛生部が主催する告別式が北京で行われた。
　

出典：東洋学術出版社　
担当：山之内淳