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人工と天然の冬虫夏草
中国国内の中医薬薬局を覗くと、高価な生薬を並べる専門のガラスケースが目に入る。その中には、野山参や冬虫夏草など高価な生薬が陳列されている。補剤として名高い冬虫夏草は中国でも一般庶民が簡単に手に入るような値段ではない。そこで最近では人工で栽培された冬虫夏草が開発され、すでに製品化されている。1グラム数万円するような天然の冬虫夏草も、人工の冬虫夏草になると1グラム数十円で手にいれることができる。
冬虫夏草には350種類もの品種があるといわれている。上海農業科学院ではそのうちの北冬虫夏草の栽培に成功している。現在中国の市場で出まわっている人工の冬虫夏草の大部分はこの品種だ。
天然の冬虫夏草は蛾の幼虫に寄生して成長するが、人工の冬虫夏草はなんとご飯を固めた「おにぎり」から成長する。天然の冬虫夏草の場合は、生息している環境が高山で非常に厳しいため生育が難しいが、人工の場合だと約45日間で10センチほどの芽が出てくる。上海農業科学院の60平方メートルほどの実験室では毎年1トン近い北冬虫夏草が栽培されている。さて肝心の成分は、今までの研究の結果では天然の冬虫夏草とそう大きな違いはないようだが、本格的な応用研究はまだまだこれからだ。
出典:新聞晨報 2003年12月8日より抜粋
担当:山之内淳
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