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鍼灸科が大忙しの三伏の季節になりました 

今年も三伏の季節がやってきた。三伏といえば、暦の上では夏の最も暑い時期をさす。中国の中医学では夏至後にやってくる3回目・4回目の庚の日と立秋以後の最初にやってくる庚の日を順に初伏・中 伏・末伏とすることが多い。2006年の場合、7月20日、30日、8月9日が順に初伏・中 伏・末伏に相当する。

 三伏天にあたる庚の日は、十干(中国語では天干という、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸 )では7番目に属し、庚に属する臓腑は大腸になる。一方で、三伏天の翌日となる7月21日、31日、8月10日は十干では8番目の辛の日となり、こちらは肺に属する。よって、肺と大腸が表裏の関係となるために、この時期は消化器系統や呼吸器系統の治療を行うとよいとされている。冬場に喘息の症状がひどい患者、慢性の下痢の患者などがこの時期に中医鍼灸を訪れるのはそのためだ。

 さらに、中医学的に、この三伏天は陰気が陽気に制約されて地下に伏してしまうといわれている。アレルギー性鼻炎や喘息、気管支炎などの症状に対しては、気や血が体表に向かって浮いてくるため、治療に最もふさわしい時期ともいわれている。

 暦と中医学の鍼灸治療の関係について、広州中医薬大学第一付属医院の鍼灸科では、2004年より広東省の研究プロジェクトとして三伏天に行うお灸、「天灸」の研究を行っている。この病院では、1982年より夏の「天灸」の治療を行っていて、最近では華南エリアでも徐々に普及しつつある。「天灸」治療では膏薬を貼る「貼薬」が重要だが、その中に含まれている麝香が引薬としての役割を果たすという。治療にあたっては、麝香の有効成分が、空気中に飛び散ってしまわないようにすることがポイントといわれている。これまでに3万例の患者の治療を行ってきた。

 この三伏天に鍼灸科にいく習慣は、広州だけでなく夏場特に暑い中国の華南や華東地方に多い習慣で、鍼灸科は大忙しとなる。
 

出典:       
担当:岸田 賢治


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