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益母草をつかった皮膚のかゆみの治療症例
益母草の性質は辛・微苦・微寒で、心・肝経に属する生薬だ。主な効能は活血去瘀、消水解毒で、産後や妊娠中にも処方され、また打ち身や水腫、瘡瘍腫毒などの証にも使われる。福建省建瓯市市立医院の中医師、張磊先生が症例を紹介いしてる。この先生は益母草の辛開苦降、血分に入る性質を利用して、湿疹などによる皮膚の掻痒の治療を行っている。
患者の王さんは女性で21歳、湿疹で皮膚がかゆくなり、とくに春先には夜も眠れないほどのかゆみが襲ってくる。抗アレルギー剤などを服用するとかゆみは収まるものの、またすぐ湿疹が出てきて再発してしまう。そこで張先生は消風散を中心に処方をした。
処方:益母草30グラム 荊芥穂10グラム 蝉蛻5グラム 苦参10グラム 白鮮皮15グラム 地肌子15グラム 蛇床子15グラム 蒼朮10グラム 生地黄15グラム 土茯苓15グラム
以上を煎じて、毎日2回服用し、外用としても使う。2日間使うとかゆみが収まり、さらにこの処方のまま2日服用するとほぼ症状が治った。
この処方では益母草を多様している。湿疹など皮膚の掻痒感では風湿の毒が皮膚に固まり、鬱してなかなか散らないことによる病因病機を考えた。益母草には活血去瘀・滑利善走の作用がある。そこで消風散の処方とあわせると去風除湿して、血が滞りなく流れ、結果的に風は自然に収まり、湿毒を鎮めて、掻痒感がなくなると考えた。
出典:『中医雑誌』より抜粋
担当:山之内 淳
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