中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　生薬に含まれるアリストロキア酸の問題に関して、とくに中国で多くの腎障害などの副作用が報告されている中成薬（漢方薬）問題は広く知られている。まず生薬に関しては、江蘇省食品薬品監督局で8月13日により広防己・青木香の使用を徐々に停止させ、さらに馬兜鈴・尋骨風・天仙藤・朱砂蓮の4種の生薬も医師の処方が無ければ処方できなくなる。またこれらの生薬を原料に生産される中成薬に関しても、2004年9月30日までに『中国薬典』2000年版に収録されている防己・土木香に置き換えなくてはならない。また馬兜鈴・尋骨風・天仙藤・朱砂蓮の4種の生薬を含む新薬に関しても、登録申請は停止される。しかし、これら4種の生薬を含む中成薬の種類は非常に多いため、江蘇省食品薬品監督管理局では中成薬の名前を公表している。

１．馬兜鈴を含むもの。喘息霊膠嚢、肺安片、複方蛇胆川貝散、鶏泣丸、鶏蘇丸、京製咳嗽痰喘丸、七十味松石丸、青果止嗽丸、潤肺化痰丸、十三味疏肝膠嚢、胃福顆粒、消咳平喘口服液、新碧桃仙片、止咳化痰膠嚢、止咳化痰顆粒、止咳化痰丸、止咳化痰丸、止咳青果片。
２．天仙藤を含むもの。和胃降逆膠嚢、香藤膠嚢。
３．尋骨風を含むもの。杜仲壮骨膠嚢、杜仲壮骨丸、風湿霊薬酒、複方風湿薬酒、複方拳参片、去風除湿薬酒、三蛇酒、傷湿鎮痛膏、少林正骨精、神農薬酒など。
４．朱砂蓮を含むもの。複方胃痛膠嚢、九竜解毒膠嚢、金朱止瀉片、朱砂蓮膠嚢、保胃膠嚢など。

　また2004年9月30日までに、薬品の説明書には、アリストロキア酸を含む生薬が成分として含まれていて、腎障害などの副作用を起こす可能性があることを明記しなくてはならない。そして医師の処方がなければ購入できない。　

出典：新華社2004年8月13日　
担当：山之内　淳