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中国から見た日本の伝統医学の現状 

 中医学が日本に伝わって、漢方医学として日本で発展し、さらに明治維新に入って西洋医学が幅を利かせるようになってきたという事実は、中国でも有名だ。しかし、日本で70年代以降、難治療に関して漢方などの伝統医学が改めて脚光を浴びていること関して、香港の『亜洲週刊』が取り上げている。とくに日本の医学部の大学教育に漢方教育が取り入れられるようになったということに注目している。日本の医学部では全国80におよぶ医科大学で「漢方概論」的な科目が必修科目として取り入れられ、2008年からは医師国家試験にも出題される。この変化に関して、「日本では25万人におよぶ西洋医師のうち9割以上がが今まで伝統医学を系統的に学ぶことができなかったのに対して、この状態が打破された画期的な試みだ。」と高く評価している。
 それと同時に、なぜそういう動きが起こったか、という点に関しても論評している。『亜洲週刊』によれば、最近の日本の医療費の高騰する一方で、治癒率が大きく上昇しない現実を示し、さらに高齢化にともない必然的な流れだとしている。一方で、現在の日本でも医師によって処方される117種の漢方薬、さらに薬剤師などによっても250種類近い漢方薬が処方されているが、まだまだ十分に活用されていないとしている。一方で、日本の大学などの研究期間で行われている研究のレベルの高さは、本場中国をしのぐ勢いであり、その発展は目覚しいと評価している。とくに富山県などでは、産学が一体となって、世界一流の漢方の研究基地の建設を目指しており、中国や香港、台湾を追い越して、世界でも先端のレベルに達していると記している。
 実際、中国の中医学界では昨今の日本の漢方関係の研究の発展スピードの速さに、日本脅威論も出てはじめており、それに関連してか、中国では知的所有権などの意識強化に特に力を入れ始めている。中医学の本家本元として世界の市場でさっぱりシェアが伸びない中国製中成薬やエキス剤に関しても、一部の中国の製薬会社は危機感を抱いているいるようだ。
 

出典:新華社2004年8月3日 
担当:山之内 淳


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