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中国の中医病院、伝統的な中医病院はどこにいった?
新華社が衝撃的な記事を掲載している。中国の中医病院での西洋医学の導入はなにもいまに始まったことではないが、西洋医学の管理様式をどんどん導入することにより、本当の意味での中医病院が中国で姿を消しつつあるという。
ある調査によれば、中国全国にある2500箇所あまりの一定の規模をほこる病院のうち、伝統的な中医治療を保持している病院はほぼなくなり、かわって西洋医学の検査機器や診断を大幅に取り入れた中医と西洋医の「結合」式の病院が増加している。興味深いデータが公表されているが、2001年の全国の総合中医病院の収入のうち、たとえば医薬品による収入は西洋医学の薬が全体の60%を占めるかわりに、中医学の薬の収入が40%で逆転現象がおきているという。そのため、本当の意味での伝統的中医学の臨床基地が中国全国的に瀕死の状態になっている。
湖南中医管理局副局長、李国忠教授の分析によると、60年代以降に中医学を学んできた医師たちを中心に、中医学の伝統的な望・聞・問・切などの四診や、弁証論治を十分にできない医師が増加しつつあるという。さらに西洋医学の高価な機器や、医薬品を中医病院が導入するため、病院の経営自体が、西洋医学に依存するようになっている実態があるという。
中医学の本家本元の中国で何がおこっているのか、我々も注目していきたい。
出典:新華社長沙 2004年9月9日
担当:山之内 淳
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