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中成薬という衣を着たニセ「バイアグラ」問題 

 中国の都会部では精力剤という名の下で、その種類の薬が簡単に手に入ってしまう。ある調査会社が北京、上海、広州の3つの地区を調査したところ、各都市で性に関する商品を販売する店は数百と存在するが、そのうち98%以上でニセの「バイアグラ」を販売していることが分かった。さらに、それらがさまざまな西洋薬(Sildenafil Citrate ・クエン酸シルデナフィルなど)の成分を含んだ中薬や健康食品であったりする。とくに中国人の間でも、中薬は比較的安全であるという安心感があるためか、これら中薬の名前をつけた精力剤の売り上げが非常に伸びている。この問題に対して、広東省薬検所ではバイアグラの成分と中薬の成分の違いを分析する方法で、非法な精力剤の取締りの強化を行っているものの、サンプルの値段が高くコストがかかるだけでなく、今でもいたちごっこの状態が続いている。
 中国人の間では、補腎や壮陽の功能のつく生薬は、性能力の向上になんらかの関わりがあることはよく知られている。しかし、純正の中薬や生薬に関しては、これらニセのバイアグラなどの広告に書かれている様に、服用すれば30分で効果が出てくるということがウソであることを知る人はあまり多くない。
 中国では90年代以前に生産された一部の中成薬を除いて、『薬品管理法』では中薬と新薬を混ぜて中成薬を作ることは禁止されている。さらにクエン酸シルデナフィルとなれば、第2類の精神薬物に指定されており、当然一般の薬局などでの販売は禁止されている。しかし、実際には非合法に中成薬に混ぜられ、市井で販売されている現実がある。名前がいかにも中薬の名前をしていて、さらに店員も純正中薬として客に薦めるのでなおさらたちがわるい。
 広東省では、最近何種類かの精力剤的に使われている中成薬の成分を調べたところ、クエン酸シルデナフィルが成人が1日に服用できる許容範囲を大幅に超えた量が検出されたという。なかには3倍以上の量を含む中成薬もあった。
 性に関する商品を売る店は、中国の大都市では合法的に営業できるが、そのなかでこれらニセ「バイアグラ」の売り上げが占める割合が、半分以上を占め、さらに北京では72.2%に達するというデータも出ている。小売店にとっても大いに売り上げに貢献している。まだ売れればよいという意識が強い中国だ。いずれにしろ、これら中成薬には軽率に手を出さないのが賢明だ。 

出典:新聞晩報 2004年9月20日 
担当:山之内 淳


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