中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　2004年9月21日に上海で初めての西太平洋地区草薬（ハーブ）協調国際シンポジウムが開催された。この中で、全世界で生薬の使用量が増加傾向にあり、ヨーロッパ全体でも人口の6割が何らかの形で生薬を使ったことがあるというデータが発表された。
　とくに現在、ヨーロッパ全体ではすでに10万人が中医師としてなんらかの教育を受け、中医を使って治療する診療所などの医療機関も1万箇所以上となっている。こちらでは生薬よりむしろ鍼灸が盛んだ。オランダの場合、1500万人の人口に4000人の中医師がいるほか、ドイツでも2万人前後の鍼灸師がいるといわれている。さらにイギリスには3000あまりの中医診療所が開設されている。イギリスでは法制度化も進んでおり、中医学の法制度化に続いて生薬に関しても立法を目指している。イタリアでも生薬やハーブを扱う店が出てきた。
　一方で、WHOは中薬に安全性に関しても注目している。その一つに、重金属の問題や、残留農薬の問題があるほか、生薬自身の腎臓や肝臓などへの影響の問題がクローズアップされている。中国がこれから解決しなければならない問題もまだまだ多い。　

出典：新聞晨報　2004年9月23日　
担当：山之内　淳