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中医学を使ったシェグレン症候群(乾燥症候群)の治療
『中国中医薬報』に紹介された症例。
3年前から、呉さん(36歳・女性)は口や目の渇きを感じていたが、その後とくに気にしていなかった。ところが、最近口の渇きがひどくなり、食べたらすぐに水を欲し、また水のボトルを常に携帯しないといられなかった。さらに、涙が出ず最近では関節が痛み出してきた。そこで、西洋病院で診察を受けると、シェグレン症候群(乾燥症候群)と診断され、人工涙液や人工唾液を使って治療を受けた。しかし、白血球と血小板の値が正常な人の半分しかなく、免疫抑制剤を使っての治療も行うことができなかった。そこで、半信半疑ながらも北京中医医院で中医治療を試みた。
この病院には痹科が設置されており、主任の周乃玉主任医師が診察を担当、まず脾虚津虧と弁証し、健脾益気・化生津液の方法で中医生薬の治療を行った。1ヶ月服用すると、まず目や口の乾燥がやわらぎ、2ヶ月目には水のボトルを持たなくても外出が可能になり、驚くことに白血球・血小板の値が徐々に上昇しだしたという。現在、治療を始めて半年になるが、症状は収まり、安定している。
中国では、このように各疾患に合わせた専門の中医の科が設置されており、威力を発揮している。この病院では、「全国名老中医」の称号を持っている周乃玉主任医師のもと、痹科が設立され、痹証に属するシェグレン症候群(乾燥症候群)の中医治療を行っている。主な治療方針は健脾益気生津法・健脾益気通陽法で行い、津液が陽気とともに分布できるようにし、清竅を潤し、臓腑に栄養を与える。また、同時に活血化瘀、通絡止痛の生薬を加えることにより、関節の痛みなどを和らげ、免疫の働きを調節している。
出典:『中国中医薬報』2005年3月16日
担当:山之内 淳
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