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タイで中国の中医薬を用いたエイズ治療薬が認可される
新華社(昆明)の報道によれば、中国科学院昆明植物研究所の植物化学専門家羅士徳教授らのグループが開発した中医薬によるエイズ治療薬「複方SH」が第Ⅲ期の臨床試験をパスし、タイで正式に使われることになった。
この「複方SH」の研究は1987年から行われており、羅士徳教授らのグループは1100種類の生薬の中からHIVウイルスに効果のある生薬を探し出し、研究を行っていた。その結果、100種類の生薬に関して一定の効果が見られるとし、1990年代中期から今度はもっともふさわしい処方の研究、開発に取り組んできた。この研究期間中にタイの副総理の目に止まり、エイズ患者の増加に頭を悩ますタイ政府も研究開発に協力する形になった。
タイの衛生部医学科学庁は中国科学院昆明植物研究所と15年間にわたって共同研究を行い、今回の100%天然生薬で構成された「複方SH」の開発にたどり着く。この中成薬は5種類の生薬で作られている。
2001年からは、臨床試験が繰り返し行われ、第Ⅰ期・第Ⅱ期臨床試験では、28例のエイズ患者に関して実際に行われ、予想を上回る成果を得られたため、2003年6月からは第Ⅲ期の臨床試験が行われた。
「複方SH」は中国式のカクテル療法とも言われ、西洋医学のエイズ治療薬と併用して用いることも可能としている。西洋諸国ではまだエイズ治療に中医薬を用いる本格的な研究はまだ少ないため、長年研究を行ってきた中国にとっては、比較的有利であったといえよう。すでに「複方SH」はタイ政府の批准を受けており、世界で始めて知的財産権を取得した中医薬を使ったエイズ治療薬として中国伝統医学の専門家の間では注目を浴びている。
出典:新華社(昆明) 2005年3月19日
担当:山之内 淳
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