中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　日本でも中国でも大病院にいくとさんざん並ばされて、診察を受ける時間は5分というような状態が多いが、上海市ではこの状態を少しでも改善できるように、地域における医療の拡充を目指している。これが「社区衛生サービスセンター」で、格安の医療費で気軽に診察が受けれるようになっている。社区衛生サービスセンターは各地区に設置されていて、ほぼすべての市民が歩いて10分から15分でいける範囲にある。営利を目的とする一部の民間病院と違い、こちらは地域医療を専門に担当する。
　このサービスセンターに中医学を導入する動きが始まっている。上海市閘北区では中国全国で行われている中医社区衛生サービスセンターのモデル地区として取り組みが行われている。目標は、区内の90%の市民に西洋医学と比べてもコストの安い中医医療を提供しようというもの。主な内容は中医内科のほかに、鍼灸・推拿・すい玉・刮痧・薫洗・中薬貼敷・マッサージなども含まれる。また医療隊も作られ、地区に住む60歳以上の人に対して健康調査を行い、さらに80歳以上の高齢者に対しては24時間のホットラインも開設して、健康に対する相談を受け付ける。
　　

出典：新聞晩報　　2005年8月17日　
担当：山之内　淳