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高血圧症の患者によく処方される生薬の分析

 四川大学化工学院の専門家が1980年から2003年までに省クラス以上の中医学術雑誌に掲載された1191の高血圧治療に効果があるとされる処方の分析を行った。これは処方をデーターベース化し、その組み合わせについてデータを解析した。
 まず、高血圧治療によく使われる生薬の分類は、順番に補虚薬、清熱薬、平肝薬、熄風薬、活血化瘀薬となっている。
 また、1191の処方のうち、使われた生薬の種類は394種類で、このうちよく使われた生薬の順番は、牛膝、鈎藤、白芍、茯苓、天麻、丹参、澤瀉、菊花、石決明で、使われる量は最大60グラム、最小3グラムとなった。組み合わせでは、牛膝・鈎藤が一番多く、次に鈎藤・天麻、鈎藤・石血明、鈎藤・白芍、牛膝・天麻と続く。牛膝は、活血通経・補肝腎・強筋骨・利水通淋の働きがある。また鈎藤には熄風止痙・清熱平肝の作用があり、組み合わせることにより、一補一平で、調和肝腎して、肝火を降ろし、平肝熄風の効果が高められることになる。
 3つの生薬の組み合わせでは、牛膝・鈎藤・天麻がもっとも多かった。4つの生薬の組み合わせでは、鈎藤・石決明・牛膝・天麻の組み合わせがもっとも多い。
 弁証論治では、高血圧は肝火亢盛・腎虚・陰虚陽亢の3つのタイプがよく見られる。よって、補薬では肝腎陰虚から考える場合が多い。清熱では清肝火が主流。そこで、中医学では高血圧症に治療に関して、肝火旺盛の理論を使う場合が多いと見られる。また平肝熄風は、「先治標、後治本」の原則から、臓腑を傷つけないように補いつつ、平肝熄風の生薬を使っていることが分かる。さらに、効果を高めるために活血化瘀を使うというパターンになっている。 

出典:中国中医薬報 2005年8月15日 
担当:山之内 淳 整理


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