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鳥インフルエンザの治療に活躍する「八角」
欧州でいま鳥インフルエンザが人々の脅威となっているが、その関係で、治療薬のTamiluの注文の引き合いが相次いでいため、品不足になっている地域も出ている。実はこのTamifluの原料は、中医薬でおなじみの「大茴香」、すなわち香辛料で使われている八角で、この八角の最大の供給国である中国で品不足の現象が起きているのだ。
「小茴香」の仲間でもある「大茴香」は、中医学でもよく使われる生薬の一つで、両者の効能は良く似ている。「暖肝散寒・温腎止痛・理気開胃」の作用がある。スイスの製薬会社ロシュは、この「大茴香」から有効成分を抽出してTamifluを作っている。完全に鳥インフルエンザの予防は出来ないとしながらも、感染率を一定を抑えることは可能であることが証明されている。
「大茴香」の主要な産地は雲南省・広東省・福建省などだが、今年3月から5月にかけてロシュ社がこの地区の生産量の9割に当たる「大茴香」を集中的に購入したために、現在でも不足した状態が続いている。それが、結果的にTamifluの製品不足までも導いている。消息筋では、イギリスは1460万個のTamifluを注文したが、まだ250万個しか届いていないという。
これからも生薬の有効成分が鳥インフルエンザの治療に西洋医学的に使われるケースが増えてくるものと見られる。
出典:東方早報 2005年10月17日
担当:山之内 淳 整理
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