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上海で行われた毒蛇にかまれた患者の中医外科的緊急治療
2005年秋に、山東省煙台で、中国で猛毒の毒蛇で知られる「五歩蛇」にかまれた患者が、上海中医薬大学付属竜華医院に搬送された。この蛇にかまれた場合、生存する時間は4時間程度と見られており、チャーター機で緊急搬送された。
この患者は左手薬指を蛇にかまれ、腫れ上がっていた。すでに腫れ上がった部位は腕関節から上部7センチにまで拡散していた。
まず病院では五歩蛇の血清を、通常の3倍の量で投与したものの、効果が見られず、上海中医薬大学付属龍華医院の中医外科主任の唐漢鈞教授が直接治療指導にあたった。
中医弁証では、毒蛇の毒を火毒と風毒の2種類で考える。風毒の場合は、患者の神経系統を破壊する力をもち、火毒の場合は毒素が血液循環の中に流れ込んだとする。
そこで、治療方針としては、清熱解毒・涼血止血・通利二便とし、治療薬としては、季徳勝蛇薬片・蠍蜈膠嚢・清熱敗毒飲・犀角地黄湯(犀角は現在水牛角で代用)・二半湯などを使った。また、外用薬では季徳勝蛇薬片・金黄散・六神丸の粉末を、清涼油で溶いて患部の周りを封した。
さらに、西洋薬では副腎皮質ホルモンであるヒドロコルチゾン類の新薬を注射した。その結果、入院して2日目の朝には症状は安定し、一週間の療養期間を経て腫れも解消した。
出典:上海中医薬報
担当:山之内 淳 整理
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