中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　上海には、中国で最高レベルの医療技術をもった医師が少なくないが、これら医師に診察を受けるには、予約者も非常に多くコストが高いなどの問題が多い。特に、ベテランの中国伝統医学の医師となると、市民の関心も非常に高い。
　そこで、上海市衛生局では2006年上海市中医工作会議を開き、名医たちが地域の病院でも診察できるような体制をつくることになった。
　すでに、上海中医薬大学付属龍華医院では、徐匯区社区衛生サービスセンターと協定を結び、毎週1回ベテラン中医師を派遣し、費用も社区衛生サービスセンターが定める比較的低価格の診察料で設定される。また、上海市各地の社区衛生サービスセンターでは、中医学を積極的に導入し、総合的でかつ廉価な医療サービスを行えるようにする。
　上海市衛生局は、今後上海各地に中医薬を導入した公的医療機関の拡充を目指し、モデル地区を設定していく。上海万博が開催される2010年までに、80%の社区衛生サービスセンターで中医薬による治療が受けられるようになる。　

出典：青年報　2006年3月1日　
担当：岸田　賢治