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代々伝わる医学書を鑑定に出すと
瀋陽でのエピソードだ。
2006年7月14日、瀋陽の姫さんは、自宅に代々伝わる医学書を、初めて専門家に公開し、鑑定してもらった。
姫さん宅の先祖は、代々生薬薬局を経営していて、1980年に住宅の立ち退きにあった際に、地面下から油紙に包まれた医学書が出てきた。それ以来、姫さんは大事に保管していたという。
これら医学書は、全部で20数冊あり、その中には清代光緒時代の『験方新編全集』18巻、『白喉治法忘表抉微』、『叔和脈訣』、『婦人良方全集』、『本草備要』、『医林改錯』などがあった。
瀋陽故宮博物院の鑑定家、沈広傑氏によれば、すべて清代光緒年代の石印本であることが明らかになった。
この貴重な資料の中に、名著『針灸大成』10巻が見つかり、さらに表紙には「銅人明銅全図付き」の表記があった。この書は、序を趙文炳が執筆し、目録には「周身穴位図」、「針道源流」、「刺熱刺虐論」、「奇病論」などの記載がある。さらに、清代の乾隆二年(1737年)に趙文炳が復刻して出版したものであることが分かった。
『針灸大成』は、針灸経穴について書かれた医学書で、明代の「針灸銅人」と経穴とほぼ完全に一致するもので、作者は明代の著名な針灸医師楊継洲。楊継洲の祖父である楊益は太医院の太医で、その当時、非常に有名な医学者だった。楊継洲は主に針灸を重んじて患者を治療し、明代以前の針灸を総括した本として名高い『針灸大成』を記した。経穴の位置も再検討し、図を加えるなどの試みも行われている。また、手法についても『楊氏補瀉十二法』などを整理記載している。
このように、中国ではいまだに、民家などから大切に保存されていた中医学の医学書が見つかることがあるのだ。
出典:瀋陽晩報
担当:岸田 賢治
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