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中医薬局でも患者を診察できるように深圳で「坐堂医師」解禁への動き
中国で伝統的に中医薬局では中医師が薬局内で患者を診て、処方を出すというシステムが存在していたが、最近法整備が進むにしたがって姿を消してしまった。一方で、東南アジアの国々では、伝統医学の医師たちが薬局などで患者を診ることが許されている。
そこで、深圳では『深圳経済特区中医薬条例』を今年中にも制定して、中医薬局でも中医師による患者の診察ができるようになる可能性が出てきた。
薬局での医師による医療行為が禁止されたのは、健康食品や医療機器などの販売を押し付けたり、無資格者の医療行為が跡を絶たなかったからで、2001年には各地で行われた中医薬局での中医師の診察も禁止された。現在、中国国内で薬局での中医学の診察行為が許されているのは、特殊ライセンスを持っている同仁堂だけだ。
こういった現状に対して、深圳では、香港で行われてきた経験を生かして、薬局の持っている「薬品管理許可証」のほかに、「医療機構執業許可証」を取得すれば、中医薬局での中医師の診察行為を認めることを考えている。
現在、広州市内にも伝統的な中医薬薬局が数多くあるが、そのほとんどが病院からの処方を調剤する薬局となっており、薬局での診察は行われていない。そのため、薬局のなかで中医薬が占める売り上げは徐々に減少し、現在では中医学が盛んであるといわれている広州ですら5%前後に過ぎないという。そのため、純粋な伝統的中医薬局は昨今減少傾向にある。
一方で、病院を定年退職した経験豊かな中医師たちの経験を、こういった薬局で活用する案も出ている。年齢が増せば増すほど患者からの信頼も厚くなる中医学で、ベテラン中医師を定年退職させてしまうことはもったいないということだ。
しかし、中国ではまだ診療所のライセンスである「医療機構執業許可証」を取得するのは非常に難しい。こういった中で、伝統的な中医薬局が復活できるかがかかっている。
出典:羊城晩報など
担当:山之内 淳
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