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通巻97号(Vol.25 No.2)◇訂正記事
お詫びと訂正
6 月20日発行の『中医臨床』6月号・通巻97号(Vol.25 No.2),80頁の弁証論治トレーニング〈第42回〉出題:「前立腺がん手術後の尿漏れ」の出題内容の全部に誤りがございました。正しいものは以下のとおりです。ここに,謹んでお詫び申し上げますとともに訂正をさせていただきます。(東洋学術出版社・編集部)
[正]
読者といっしょに考える[誌上症例討論]
第42回出題:「前立腺がん手術後の尿漏れ」出題者/呉 澤 森
患者:男性,67歳
初診:2004年1月8日
主訴:6カ月に及ぶ尿漏れ
経過:2003年8月に,都内某大学付属病院泌尿器科で前立腺がん手術を受けた。術後,担当医は「今は少し尿漏れがありますが,1カ月ほどで改善され,3カ月も経てば,尿漏れの心配は一切なくなるはずです」と説明した。しかし,6カ月後,尿漏れは気持ちとして良くなりそうな感じはするものの,実際には1日に消費する尿漏れパットの使用枚数はまったく変わらない。そこで,再度担当医を訪ねると,「もっと強く我慢してください」という指示が出ただけで,薬もないまま帰宅した。その後,患者は不満と悩みを抱えて来院した。
望診:痩せ型(体重:手術前56kg,手術後50kg),顔色晦暗,つやがない。
問診:尿漏れは1日中で,尿漏れパットの使用は1日5~6枚。一番困るのは,飲酒後,お茶をたくさん飲んだ後,あるいは歩くときに尿漏れがひどいこと。横になるとほとんど尿は漏れない。排尿は1日10回以上で,1回の排尿時間が長い。体が疲れやすい。ときに頭がふらつく。話す声は前より低くなった。手足は冷たい。腰は重くだるい。軟便1日1回。食欲普通。
脈診:三部沈弱
舌診:薄苔・舌質淡白・舌辺に浅い歯痕。
経絡診:三焦兪・腎兪・八リョウ穴に圧痛があり,喜按。足三里・然谷穴を押すと,軟弱感がある。
腹診:下腹部は全体的に柔軟無力で,とくに気海・関元・水道は,押すと陥没感があり,皮膚温度も低い。
耳診:耳殻が黒っぽい。つやがない。肺区に白色隆起1個があり,腎区に褐色斑がある。人中診:人中溝短・小・浅平
爪の甲診:10本指の爪の甲色は淡白色で,小指の爪に5本の竪溝がある。
西洋医診断:前立腺がん
『中医臨床』通巻97号(Vol.25-No.2)
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