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通巻160号(Vol.41-No.1)◇【リポート】WHO/ICD-11に伝統医学の章が新設
WHO/ICD-11に伝統医学の章が新設
記念講演会
2020年2月20日,東京神田の学士会館で,WHO/ICD-11に伝統医学の章が新設されたことを記念する講演会が開催された(主催:JLOM)。
2019年のWHO総会において,ICDの改訂版である第11版に伝統医学の疾病分類が収載されることが承認されたが,記念講演会はその内容を周知し,収載の意義を改めて示すことが目的であった。今回の収載によって漢方や鍼灸の国内的・国際的認知度が高まるとともに,統計調査にもとづく比較研究が可能となり,漢方や鍼灸の臨床的なエビデンスを確立するために役立つことが期待されている。
国内に及ぼす影響は,漢方については,認知度の向上とエビデンスの確立。さらにそれによって健康保険の償還が継続され,国民に対し安定して漢方治療を提供することが可能になる。鍼灸については,鍼灸施術の実態(対象疾患・病態)が明らかになり,さらにそれにもとづく臨床研究の発展とエビデンスの構築につながることが考えられている。
今回,西洋医学の疾病分類に合わせて,伝統医学の疾病分類が採用され,ダブルコーディングができるようになった。運用が始まるのは2年後の2022年からであるが,実際の導入が進まないと伝統医学の実態を明らかにできず,ようやく手に入れた「希望の灯り」が消されてしまう可能性もあるという。今後,広く統計データの集積や研究に活用していくことが望まれる。(編集部)
記念講演会に先立ち記者会見が行われた
収載の意義等を述べ記者の質疑応答に答えるJLOM議長の伊藤隆氏(左)と同副議長の若山育郎氏(右)
JLOM(日本東洋医学サミット会議)http://jlom.umin.jp/
『中医臨床』通巻160号(Vol.41-No.1)より転載
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