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通巻149号(Vol.38-No.2)◇読みどころ


 
【読みどころ・その1】p2~12
読みどころニッポンの中医臨床。
【巻頭インタビュー】中医学は柱に過ぎない 基本概念を押さえて自分自身で思考する(仙頭正四郎)

日本の中医臨床の実態に迫る企画の第10回。今回は,中医学を柱にしながら独自の理論を発展させ,さらに長年にわたって漢方の初期講習を継続する仙頭正四郎先生に話をうかがう。仙頭先生は五臓の層構造配列や肝の意義付け,腎の解釈,心の役割など,さまざまな点で独自の理論を展開している。時にその理論展開に疑問の声もあがるが,「現在の東洋医学は完成されたものではなく,誤りや不完全さを含んだ,まだまだ修正・発展させなければならないものと位置付けています」と語る。仙頭先生の場合,中医学を柱としつつも,違うと思うところは少し色を塗り替えたり,継ぎ接ぎしながら変えていくのだという。中医学は柱の1本に過ぎないという認識だ。さらに臨床では単なる知識の受け渡しではなく,基本概念を押さえて,自分の観察にもとづいた自分自身の考えで対処することを強調する。



  【読みどころ・その2】p56~61
読みどころ『傷寒論』の矛盾に迫る。
宋以前『傷寒論』考:悪風の麻黄湯(岡田研吉)

宋板『傷寒論』の第2条と第3条では,中風と傷寒の定義が記されている。つまり第2条「太陽病,……悪風,……名づけて中風と為す」,第3条「太陽病,……必ず悪寒し,……名づけて傷寒と為す」である。一般に中風は悪風で桂枝湯が主り,傷寒は悪寒で麻黄湯が主ると解説されている。しかし,病理を説明する第3条で「傷寒は必ず悪寒」と定義しながら,第35条の麻黄湯の処方条文では「悪風を主るのは麻黄湯」である。この矛盾に対して筆者は,『仲景全書』『宋板傷寒論』『太平聖恵方』『陰陽大論』『千金方』等の諸経典や現代中医学の記載を比較し,悪寒・悪風と麻黄湯の関係を探る。そこからは宋改における悪寒と悪風の入れ替わり現象が見えてくる。



  【読みどころ・その3】p122~130
読みどころ日本への中医学導入史。
【特別インタビュー】日本に中医学を普及・啓蒙したパイオニア(兵頭明)

1974年に中国へ渡り,北京中医学院に留学した兵頭明先生は1982年に帰国。その後,「将来の日本の鍼灸教育には必ず中医学が必要になるだろう」という先見の明をもった後藤修司先生(後藤学園理事長,前・全日本鍼灸学会会長)のもとで,日本の鍼灸教育に中医学を導入してゆく。また李世珍の『常用腧穴臨床発揮』との出合いが「経穴学」の内容を臨床と結び付けることに役立つ。この本には理・法・方・穴・術の鍼灸の弁証論治体系が体現されていたからである。前号に引き続き,日本の鍼灸教育に多大な影響を及ぼした兵頭先生へのインタビューの後篇を掲載する。



  【読みどころ・その4】p142~149
読みどころ中国取材・安徽省針灸医院。
梅花鍼灸学派・周楣声先生の鍼灸を継承して(蔡聖朝)

中国の著名な鍼灸文献研究者の1人,黄龍祥氏(中国中医研究院)は,かつてわれわれのインタビューに応じ,「もし中国の学者が鍼灸の弁証論治をどのようにみているのかを知りたければ,周楣声先生の『灸縄』を読むとよいでしょう。鍼灸の理論研究に対して非常に深く掘り下げ本質に触れています」と語った。その『灸縄』を見ると周氏は「鍼灸の臨床とは一体どのようなものなのか」という根源的な問題についてするどく切り込んでいた。 今回,20年にわたって周氏のもとで学び,その臨床と学術を継承している人物がいることを知り取材を申し込んだ。安徽省針灸医院の蔡聖朝教授である。蔡教授からみた周氏の臨床や鍼灸思想,さらに蔡教授自身の臨床や学術思想について話をうかがった。


中医臨床 通巻149号(Vol.38-No.2)特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(後篇)

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