【読みどころ・その1】p34~44
| 安徽取材 その1。 |
【インタビュー】新安名医の臨床に迫る(胡国俊・木田正博)
高知県で開業している木田正博医師が安徽省合肥にある安徽省中医院を訪れ,新安医学の流れをくむ安徽名医・胡国俊教授に話を聞く。木田医師は1990~92年の2年間,同病院で中医学の研修を行った経験をもち,その際に胡教授の臨床に就いて学んだことがある。胡教授は大学教育ではなく,地元で名医として名高かった父・胡翹武に就いて中医学を学んだ方で,いわゆる「学院派」とは一線を画した独特の考え方をもち,日々の臨床にのぞんでいる。インタビューではおもに木田医師が関心をもった伏邪・がん治療・脾陰虚について話をうかがった。
【読みどころ・その2】p104~108
| 鍼薬同効から考えるコラボレーション。 |
腎虚に対するコラボレーション(関口善太)
鍼薬同効を特徴とする「李世珍の鍼」を日々の臨床で実践する著者が,鍼灸と漢方薬を組み合わせた総合的な治療を行うことを提案し,シリーズで鍼灸処方と漢方処方を比較しながら相互応用の方法を紹介していく。第2回では腎虚に対する鍼灸治療と漢方薬のコラボレーションについて取り上げる。まず腎虚に用いられる中薬と経穴を列挙した後,日本で使用されている代表的な漢方製剤を分類して,その組成から鍼灸治療とのコラボレーションの必要性について述べる。
【読みどころ・その3】p124~132
| 安徽取材 その2。 |
鍼薬を併用して難病・慢性病を治療する安徽名医(張道宗)
中医治療における弁証の意義を強調し,臨機応変に鍼薬を併用して難病・慢性病を治療する安徽省の名老中医・張道宗教授に話を聞く。張教授は,省レベルの鍼灸専門病院としては中国で最も早くに創設された安徽中医薬大学第二附属医院で臨床を行っている。同病院では内科・婦人科・救急科等の各科で鍼灸が用いられており,張教授も臨床ではさまざまな内科・婦人科疾患を診ることが多い。また「通督調神」学説を提起し,督脈や華佗夾脊穴を用いた治療で数々の難病を治療してきた。さらに「四時皆有土」学説を唱え,湿への配慮と脾土の盛衰に着目することを強調する。
【読みどころ・その4】p130~134
| 日本版「穴性」の構築をめざして。 |
【座談会】「穴性論」を振り返って(金子朝彦・岩渕浩司・田辺義典・髙士将典・李昇昊)
2012年春(
128号)から始まった「穴性論」の連載も,次号(148号)掲載の第20穴の足三里でひと区切りとなる。そこで本連載の執筆陣に集まっていただき,連載を通して気づいたことや,穴性の今後の展望などをテーマにして座談会を行った。今号では,各自自由なテーマを設定して,「教育現場からみた穴性論とその展望」(金子),「按摩を取り入れた穴性の構築」(岩渕),「日本の臨床に適合したツボの効能をどのようにまとめるとよいか」(田辺),「文献考察および臨床における穴性の役割」(髙士),「穴性を発揮させるためには得気が前提」(李)などについて話してもらった。
『中医臨床』通巻147号(Vol.37-No.4)はこちら