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通巻136号(Vol.35 No.1)◇読みどころ



【読みどころ・その1】p50~60
読みどころ経方医学の提唱者が思考する精神疾患治療。
 精神疾患の漢方治療(江部洋一郎)


経方医学の提唱者である江部洋一郎氏が精神疾患の漢方治療についてまとめた。氏は,精神疾患に対する漢方治療は,一定の限界はあるものの,かなり優れていると考えており,中医学の弁証論治のほうが西洋医学の診断治療より,より病の根源に迫っている可能性が高いと指摘する。
本稿では,精神疾患を大きく実証・虚証・虚実挟雑証に分け,各証の病機について図を用いて解説し,さらに虚実で用いる処方を提示する。もちろん用いるのは経方である。後半は症例が呈示され,うつ病・双極性障害・統合失調症など6症例を掲載する。



  【読みどころ・その2】p74~79
読みどころ中医病証の源流考。
 消渇(姜徳友)

現在,消渇はしばしば現代の糖尿病と解説されることが多いが,歴代の医家は消渇という病証をどのように捉えてきたのであろうか。
消渇に対する中医学の取り組みの歴史は長く,はるか古代に遡る。消渇という病名がはじめて現れるのは『黄帝内経』であり,その弁証論治は『金匱要略』,証候分類は『諸病源候論』から始まり,理論体系は唐代に形成された。消渇は病因が複雑で多くの臓器に影響を及ぼすため,臨床症状も複雑多岐にわたり,病機もそれぞれ異なっている。
そこで本稿では, (1) 消渇の病名,(2)消渇の病因病機,(3)消渇の論治の3点に絞って,消渇に対する歴代医籍の論説を整理し,消渇の源流と特徴を浮き彫りにする。


  【読みどころ・その3】p128~132
読みどころツボの主治を考える。
 腧穴主治の標準化と鍼灸の弁証論治(黄龍祥)

前号に引き続き,中国中医科学院針灸研究所の首席研究員である黄龍祥氏のツボの主治症表記の標準化研究の試みを紹介する。
氏はツボの主治を中薬の主治のように記述できないのは,鍼灸の弁証論治には方薬とは異なる特徴があるからだと繰りかえし強調する。氏は,その特徴を端的にいうと西洋医学は「対病」,中医学は「対証」,そして鍼灸学は「対部位」であるという。歴代の文献を見ても鍼灸治療はずっと頭部・胸部・腹部・腰部などといった部位別に分類されてきており,疾病による分類や理論にもとづいた系統だった分類はなされてこなかったと指摘する。このことは鍼灸治療が本来「看部取穴」の特徴を有してきたことを示す証左だという。
そう指摘したうえで,氏は現行の中医薬のやり方を模倣した中医鍼灸のやり方に異を唱え,方薬方式を取り入れる以前はどのように選穴処方を行っていたのかを,古代か現代かに関わらず冷静に見つめ直す必要があると指摘する。



  【読みどころ・その4】p134~138
読みどころ日本の臨床に適合した穴性構築に向けて。
 穴性論 第9穴 陽陵泉

「理・法・方・穴・術」の一貫した鍼灸の弁証論治体系において,「法」に対応したツボの作用=「穴性」を,いかに日本の臨床で使える形で整理できるか――。連載の第9回目は陽陵泉を取り上げる。
中国の資料をベースにしながらも,それを鵜呑みにせず,日本での臨床経験から答えを導きだそうとしている点が眼目である。「集約的穴性論」は従来のように穴性を並べるだけの記述ではなく,ツボの作用を一つの流れのなかで捉えようとしており,これまでにない意欲的な試みといえる。そのほか,陽陵泉と組み合わせるツボの作用(「対穴」),「古典的な主治と自身の臨床的実感をすり合わせて総括する試み」「現代の研究論文の考察」「治験例」と,5人の臨床家がそれぞれのテーマで分担執筆する。
本穴は,経病と腑病に対応するが,穴性を大きく疏肝行気・清熱利湿・舒筋活絡と総括する。

中医臨床 通巻136号(Vol.35-No.1)特集/日本で活かす温病学

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