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通巻127号(Vol.32 No.4)◇読みどころ



 

【読みどころ・その1】p60~64

読みどころ 歴代の名医に学ぼう。

 黄耆の使い方(薛娜ほか)

近年,慢性腎不全において黄耆にクレアチニン低下作用があるという報告が相次いでいる。医療用漢方製剤に黄耆末を加える方法が取られるケースも多いようだ。
そんな黄耆は,「さまざまな補気薬のなかでも最も優れている」と称賛され,歴代の医家らも常に手元に置き,臨床において遺憾なくその効果を発揮してきた。
本稿では,『傷寒雑病論』の張仲景,補中益気湯を創方した李東垣,補気と逐瘀の方法を結合して応用した王清任,『医学衷中参西録』のなかで黄耆について深く考察した張錫純,現代の名医で慢性腎炎に黄耆と地竜を組み合わせ活用した朱良春,現代の黄耆応用の第一人者で重症筋無力症によく用いた鄧鉄涛らの黄耆の使用経験を紹介する。




 

【読みどころ・その2】 p76~79

読みどころ 中医弁証の核心に迫る。

 弁証における病機の重要性(厳石林ほか)

「弁証とは,疾病・証候の本質を分析し判別する作業である」と筆者は語る。現在,一般的に用いられている弁証法には,①症状弁証,②証素弁証,③標準証弁証,④証型弁証,⑤方証弁証などがあるが,いずれも症状所見それ自体にのみ着目して証候診断を行っているという。症状所見の病機,つまり症状所見が現れるメカニズムについては分析を行っておらず,選択問題式に答えを選んでいるレベルにとどまっていると喝破する。そして,こうした弁証法では基礎研究や臨床上の典型的な病態に対しては有効であるが,典型的でなかったり隠された症状がある場合,とくに難病・雑病などに対して,正確な弁証を行うことは難しいと強調する。中医弁証の核心はどこにあるのか――。




 

【読みどころ・その3】p130~142

読みどころ 教科書から臨床へのステップアップ。

 鍼灸特集 めまいの鍼灸治療

鍼灸治療院を訪れる患者,とくに高齢者において,肩・頸部の凝りとともに随伴症状としてめまいを伴っていることが多い。鍼灸治療はめまいに対して一定の効果があるが,その要因はさまざまであるため,的確な弁証論治が欠かせない。
めまいには本虚標実のものが多くみられ,中医学の教科書では,①肝陽上亢・②痰濁中阻・③気血両虚・④腎精不足などに証型分類される。本虚では気血両虚・肝腎不足・腎精不足がおもなものであり,標実には風(肝風)・痰がおもなものである。
本特集では,百会をプラスして活用した症例,診察のたびに証タイプの異なるめまいを発症した例,刺鍼と吸玉を活用した治療例を紹介する。




 


【読みどころ・その4】p150~153

読みどころ 私の鍼灸補瀉手技。

 李家の補瀉手技(関口善太)

わが国の中医鍼灸の臨床現場で,どのように補瀉法が実践されているのかを探るため,毎号ベテランの臨床家に登場していただき,自らの補瀉手技を披露していただくリレー連載の3回目。
今回は,「李世珍の針」を実践し続ける関口善太氏。李世珍の代表的著書『臨床経穴学』(日本語版)で紹介されたツボの効能を最大に引き出すには,李家の捻転補瀉手技を行う必要がある。特徴は,捻転の回転方向で補瀉を規定している点と,操作時間・置針の有無が異なる点にある。
関口氏は,日本人の感覚に見合った刺激量で手技を行うことは,日本で中医鍼灸を行う鍼灸師の共通テーマであるが,刺激量を減らすためには360度回すという捻転操作の規定をきちんと守って,最低限の力の入れ具合を練習することが必要だという。初心者は軽く刺激しようとすると一様に捻転角度を小さくしがちであるが,規定通り1回転させなければこの手技では補瀉にならないと語る。




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