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▼『中医臨床』プラス
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通巻123号(Vol.31 No.4)◇読みどころ
【読みどころ・その1】p22~26
| 古典に学び,老中医の経験を継承する ――中国の中医へのメッセージ |
中医学の魅力[最終回](平馬直樹)
中国の中医薬大学の学生や若い中医師にとって,中医学は魅力あるものになっているだろうか。
中国から伝わる報道をみるかぎり,必ずしもそうなっていない現状が透けて見える。
西洋医学にはない身体観・病理観をもち,確かな臨床効果を積み上げてきた中医学には,十分な魅力が備わっている筈だ。
それがなぜ魅力を感じられなくなってしまうのだろうか。
この問題について中国国内ではすでにさまざまな検討が加えられているが,
海を隔てた日本からは一体どう見えるだろう。平馬先生に聞いた。
【読みどころ・その2】 p74~77
| 『傷寒論』にまつわる疑問を解きほぐす。 |
傷寒ってなに?(回答者:別府正志)
中国伝統医学のバイブルは,『黄帝内経』『傷寒論』『金匱要略』であるが,とりわけ『傷寒論』には,諸説入り乱れ,論争の絶えないテーマが多い。
しかし,初学者にとっては,そもそも何が論争になっているのかからしてわかりにくいうえ,それでは何に依り,どのように考えればよいのか,という見当すらつかない。
そこで,『傷寒論』にまつわる疑問を取り上げ,やさしく解説する企画を立ち上げた。
第1回目は「傷寒」に焦点を当てた。
傷寒には熱病すべてを意味する「広義」の傷寒と,寒邪によって引き起こされる「狭義」の傷寒がある。
【読みどころ・その3】p106~118
| 「日本的中医針灸」確立へ,教科書から臨床へのステップアップ。 |
鍼灸特集 腰痛の鍼灸治療
腰痛を主訴に鍼灸治療院を訪れる患者は非常に多い。
原因を特定できない非特異的腰痛が鍼灸治療の適応の中心であるが,特異的腰痛である脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどにおいても鍼灸治療は補助療法としてリハビリ訓練とともに行われている。
治療にあたっては,単純に止痛を狙うのではなく,審因弁証によって行うことが肝要だ。
中医学では,腰痛の原因として,寒湿・腎虚・瘀血の3つを考えるが,外邪や捻挫によって起こる腰痛は腎虚に移行しやすく,逆に腎虚のものは外邪や外傷を受けやすいといった特徴があることも合わせて考慮しておかなければならない。
本特集では,完治させることが難しい高齢者の腎虚腰痛に円皮鍼を併用する試み,風寒湿邪による経絡阻滞の腰痛に標本の優先順位に気をつけ治療した症例,絡脈の損傷に由来する腰痛に多壮灸と刺針によって陰陽の調和をとって治療した症例を紹介する。
【読みどころ・その4】p156~158
| 十人いれば十の補瀉手技があってしかるべき。 |
鍼灸の補瀉(浅川要)
虚・実を弁別した結果を,鍼灸の治療に反映させるためには補瀉法を行わなければならない。
しかし弁証の結果を治療に結びつけるために不可欠なこの方法がじつに曖昧なのである。
そこで,中医鍼灸の臨床経験豊富な浅川要先生に,ご自身の考える鍼灸の補瀉について寄稿していただいた。
補瀉法には,①経脈の選択,②経穴の選択,③刺針手技によるものがあるが,今回取り上げるのは刺針手技。
補瀉手技には,徐疾補瀉・呼吸補瀉・開闔補瀉・提挿補瀉・捻転補瀉・鍼向補瀉……と,さまざまあるが,方法や考え方には諸説あり一致をみていないものも少なくない。
筆者は,補瀉手技とは,治療家自身が拠り所とすべき古典を参照しながら,自分自身で編みだし,その実効性を確認していくべきものではないかと述べる。
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