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▼『中医臨床』
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特集/百病の長「風」とその治療
「おもうに六気の中で,ただ風のみが五気すべてを従えることができる。もし寒を伴えば風寒といい,暑を伴えば暑風といい,湿を伴えば風湿といい,燥を伴えば風燥といい,火を伴えば風火という。おもうに風はこれら五気を奮い立て人を傷つけることができるため,百病の長といわれるのである。こういう理由から,病気の原因は風によって起こるものが多い」
清代の葉天士が『臨床指南医案』の中でこう述べるように,「風」は数ある致病因子の中でも筆頭に取り上げるべき重要な病因である。特に風証は風と結びついた邪の性質によって性質は異なるため,たんに祛風薬を使えばよいというわけにはいかない。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,風の概念とその治療について簡単に解説していただき,張安玲教授には『黄帝内経』における風について概説していただいた。古代人の素朴な観察から生まれた風の概念は今なお中医基礎理論のなかで重要な役割を担っているのがわかる。風証の治療では上海と安徽の2人の老中医の経験を中国の文献から抜粋して紹介し,さらに日本の臨床経験を滝沢健司先生と緑川沢樹先生に報告していただいた。病因別特集の第一弾! |
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特集/鍼薬併用
「鍼灸をして薬を用いなかったり,薬を用いるが鍼灸をしなかったりするのは良医とはいえない。……鍼を知り,薬を知ってこそ良医である」
孫思邈は『備急千金要方』の中でこういって,鍼と薬を両方使えることが良医の条件であることを示した。古代の文献を紐解けば,鍼と薬を併用した医家の記録をたくさん目にすることができる。歴代の医家は鍼と薬をともに用いて治療を行ってきたのである。
ところが近年,中国でも学科の分化が進み,薬物治療と鍼灸治療とが分離したような状況になっているという。しかし本来,薬物治療と鍼灸治療は中医学の内治と外治の違いに過ぎない。それぞれの特徴を活かして,必要に応じて使い分けたり,一緒に用いたりするものである。
今号では,鍼薬併用で有名な上海の老中医・秦亮甫先生(仁済医院)のインタビューをはじめ,「古代における鍼薬併用の認識と方法」「鍼薬併用治療における鍼と薬の関係」の2題の論文を翻訳掲載した。さらに日本における,鍼薬併用の現状について,東北大学の関隆志先生に,同病院における鍼薬併用の取り組みの経験をもとに,日本において鍼薬併用療法を行う際のポイントや,鍼薬併用療法がもたらす効果についてご紹介いただいた。 |
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特集/不眠症の中医治療―名老中医の経験に学ぶ―
睡眠は健康のために非常に重要な要素である。しかし,その睡眠が障害される不眠症で悩む人の数は増加傾向にあるうえ,安易な睡眠薬の処方がしばしば社会問題にもなっている。不眠症には適切な診断とそれに応じた治療を行うことが大切である。
中医学では,人体における陰陽消長のリズムの乱れが不眠症を招くと考える。現代中医学では,不寐の病因は色々あるとしたうえで,虚実に大きく分類して,虚証には陰血不足によるもので陰虚火旺・心脾両虚・心胆気虚のタイプがあり,実証には肝鬱化火・痰熱内擾のタイプがあるとしている。相対的に不眠症は情志に損傷を受けて発症することが多い。
今号では,上海市中医医院に不眠症専門外来を開設した老中医・王翹楚先生のもとを訪れ,落花生の葉を用いた中成薬の開発秘話や,王先生の睡眠に対する考え方・不眠治療の取り組みについて話を伺った。このほか,歴代医家が「不寐」をどのように捉え,治療してきたのかを俯瞰できる論考や,「久病や怪病には必ず瘀がある」という観点を提唱したことで知られる老中医の顔徳馨先生の不眠症治療についても紹介する。 |
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【特集/日本で活かす温病学】
中医学と日本漢方の相違点はさまざまあるが,温病の認識の有無もその1つだろう。日本で漢方を学ぶ方にとって,温病学は最も馴染みの薄い分野かも知れない。しかし中医学において温病学は欠くことのできない重要な学科であり,臨床においても感染症はもとよりさまざまな慢性・難治性の疾患に対して活用されている。湿熱が絡む疾患は難治になりやすく,その治療には温病学の理論と処方が欠かせないからだ。
今号では,温病学に造詣が深く,実際に臨床で活かしている先生方に集まっていただき,その経験を中心にお話いただいた座談会を掲載した。日本の保険の範囲で使用できる方剤や生薬で温病処方を構成することは難しいが,座談会からは温病学の考え方を応用したり,代替できる方剤や生薬を用いることで,上手く湿と熱を乖離させ難治の病を治療していく様子が浮かび上がってきた。
さらに馴染みの薄い温病学の基本的知識を身につけられるよう,菅沼栄先生に簡潔・明瞭な解説をしていただいた。「温病学の概略」「衛気営血弁証」「三焦弁証」「温病学の代表処方」がコンパクトにまとめられており,温病学を一から学ぶことができる。 |
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【特別連載/産婦人科疾患①】
様々な臨床科のなかで,婦人科は最も漢方薬が頻用される分野であろう。歴史的にみても,すでに『金匱要略』には婦人に関する条文が記載され,温経湯・桂枝茯苓丸・当帰芍薬散など現代でも使用される方剤が確立している。また孫思邈は『備急千金要方』で婦人病を最初に置き,女性の特徴を理解して治療するよう述べている。
このように中医婦人科学は長い伝統をもつが,現在の日本においては,現場の産婦人科医を中心に,おもにエキス剤を中心とした漢方治療が行われている。
そこで今号では,婦人科疾患に対する西洋医学の現状と中国伝統中医学の考え方を提示したうえで,さらに日本の婦人科医療の現場の感覚・意見をまとめた。今回はまず女性の女性たる最も基本的な問題,すなわち月経の問題を中心に,月経異常・月経関連不定愁訴・更年期障害を取り上げる。 |
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【特集/漢方エキス製剤の中医学的運用~合方のコツ~】
漢方エキス剤は,昭和期に,日本の漢方家が日本の漢方臨床のために考案したものである。製剤化されたことで,均質で,服用しやすいというメリットがあり,1976年に健康保険に収載され,現在では医師の9割が処方するまでになっている。
一方,中医学が日本に本格的に導入されて30~40年になるが,弁証論治を実現するためには,どうしても煎じ薬が主体とならざるを得ず,そのため中医学では,生薬の薬能を熟知し,実地でその効能を確認しながら処方運用の腕を研いていくことが求められてきた。しかし,実際に生薬を活用する環境を整えることは難しく,このことが日本の中医学普及を押しとどめてきた一面がある。
わが国で中医学を実践するうえで,漢方エキス剤を取り込み,使いこなすことは非常に大きな課題である。
今号では,中医学を熟知する医師を中心に,エキス剤の中医学的運用,特に合方の考え方と実際の使い方について,それぞれの経験にもとづいて紹介していただいた。
漢方エキス剤の中医学的運用の方法論確立に向けた企画の第一弾。 |
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【特集/名老中医の不妊治療】
不妊治療は生殖医療技術の進歩によって改善されている面もあるが,いまなお不妊で悩み苦しんでいる人は少なくない。中国でも日本と同様に子宝に恵まれず,中医学に望みを託す患者は多い。そんな不妊治療を得意とする名医は,ときに「送子観音」(子授け観音)と形容され尊崇されているが,本特集ではそんな名中医が,どのように不妊症を治療しているかを俯瞰する。
まず,婦人科を専門とする北京中医薬大学東直門医院の2人の先生にインタビューを行い,不妊の中医治療の概略をお伺いした。王子瑜先生は今年92歳,60年を超す豊富な臨床経験をもち,名実ともに備わる偉大な老中医の一人。現代中医学の礎を築いた老中医がどのように中医学を学び,臨床経験を通して理論と実践を昇華してきたのかを探った。肖承悰先生には不妊症の中医治療,特に不妊の原因となる様々な疾患との関係に着目して,治療の考え方や治療の実際をお聞きした。
さらに,全国各地で歴代にわたって発展・継承されている婦人科流派が,どのように不妊症を捉え治療していたのかを編集部が整理した。 |
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【特集/無症候性疾患の中医治療】
中医治療の特色は患者の主訴をどう解決するかにある。主訴に対して四診を駆使し,病因病機を捉えて治療に臨む。その際,病態を把握するうえで大きな手がかりとなるのは症状であるが,そもそもその症状が現れていなければ,中医はどうアプローチするのだろうか。
これは,西洋医学的な種々の検査によって異常と認められるが,目立った自覚症状のない患者に対する弁証論治として,80~90年代に提起された比較的新しいテーマである。
現在,中国では慢性肝炎・糖尿病・高血圧症・高脂血症・早期腎炎などを対象に,ミクロ弁証,潜証,体質弁証,専病専方といった方法論が提案されている。
ただ,こうした疾患に対し現在の日本では,西洋薬によってコントロール可能なケースが少なくない。そこで,本特集では,まず中国での取り組みの概略を紹介した後,なおも無症候性で問題となる,症状のない腎疾患,がんの転移・再発予防, AIHに対する中医学的アプローチを取り上げる。 |
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【特別連載/耳鼻咽喉科疾患】
耳鼻咽喉科領域のなかには,西洋医学では決定的な治療法がない疾患がいくつかある。
中医学・漢方においても難治性であることに変わりはないが,西洋医学とは異なる角度からのアプローチによって,有効なケースは少なくない。
そこで今号では,日常診療でよく問題になる耳鳴・メニエール病・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・反復性扁桃炎を取り上げ,まず各疾患の弁証タイプと治療を提示し,ついで実地診療において問題になる諸事項について紹介する。
治療ではエキス剤の運用を主にしながら,さらに生薬レベルに踏み込んで解説を加える。 |
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【特集/老中医の魅力② 顔正華】
特集「老中医の魅力」の第2弾は,現代中薬学を切り拓いた大家,顔正華氏にスポットを当てる。
顔氏は,新中国成立後に南京と北京の2つの中医学院で中薬学科を創設し,統一教材『中薬学』第1版の骨子を,成都中医学院の凌一揆氏とともに作りあげた。そんな名老中医の足跡をたどり,その用薬経験を掘り下げることで,伝統中医学が現代中医学へと昇華した背景を探る。
また本特集では,統一教材「中薬学」第1版の刊行直前の様子についても紹介する。
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