本号の主な内容
【特集/ステロイド剤と中医学】
■武維屏教授にきく/ステロイド依存性喘息と中医学
■仝小林教授にきく/SARS治療におけるステロイド剤と中医学
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■疼痛の病機学に関する考察――「不柔則痛」の提起(2)
■針灸処方の形成と発展の歴史
■瘢痕灸法
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目次
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【特集/ステロイド剤と中医学】
* インタビュー/
・武維屏教授にきく/ステロイド依存性喘息と中医学
・仝小林教授にきく/SARS治療におけるステロイド剤と中医学
* ステロイド剤と中薬の併用(張鋼花・鄒立新)
* ステロイドによる病態変化に対する中医学からの分析
(羅月中・方敬愛ほか)
* 皮膚科領域におけるステロイド剤の副作用に対する中医弁証と
治療法(尤立平・黄敬彦)
* ステロイド剤の副作用に対する針灸治療と予防(朱玉)
* 耳穴を補助的に用いてステロイド剤から離脱(徐江峰・馬武開)
* ステロイド剤の副作用に対する中医の看護
* インタビュー/
・賈得道先生にきく/私からみた中医学
――中医学発展史研究の経験から
・王琦教授にきく/弁病の重要性――伝統中医学発展の道
* 病機学研究/
疼痛の病機学に関する考察 ――「不柔則痛」の提起
(戴昭宇)
* 医学生・研修医・プライマリケア医のための中医学講座<第7回>
重要処方を理解する(その1)十全大補湯(入江祥史)
* 系統中医学講座ダイジェスト<第10回>四診と弁証の原理(2)/
処方解説・六君子湯(仙頭正四郎)
* 私の診察日記<6>(風間洋一)
* 漢方臨床小説/湯液の脈診(2)(上河原哲夫)
* 臨床リポート/リウマチに対する中医治療の効果(康少洪)
*
興味深い文献/針灸処方の形成と発展の歴史(馮起国・裴景春ほか)
*
できる鍼灸師をめざして/学生のための針灸臨床講座<第2回>
胃痛について(2)(兵頭明)
* 針灸臨床の手引き/針灸による痛みの治療法則
――高立山の「三則」と「十法」
* 温故知新/老中医の針灸に学ぶ/瘢痕灸法(李志明)
* 針灸質問コーナー
57/交会穴について(楊芳・朱江)
58/「衛気」のどこから出るのか?(左合昌美)
59/潮熱について(邵輝)
*
弁証論治トレーニング<42>前立腺がん手術後の尿漏れ
・回答へのコメント(呉澤森・高橋楊子)
* 東洋医学のためのパソコン入門講座<5>
「今昔文字鏡」ソフトを使う(1)――単漢字10万字の世界(小林健二)
* 中医臨床小説/老中医の診察室<第34回>老中医,新しい課題に
つきあたる/複雑な証にはつとめて大複方を使う(柯雪帆)
* 中医鍼灸サロンリポート
* 書籍紹介/
『東方中国語辞典』
『治る力を呼びさます統合医療のすすめ』
*―*―* ここに注目! *―*―*
読者から出されたさまざまな質問に,専門家たちが回答する好評の連載。Q57では,2経あるいは数経が交わりあう腧穴である交会穴について,北京中医薬大学の朱江先生らに答えていただいた。これまで交会穴についてきちんとまとめられたものは多くない。ここでは,『内経』以降古典に現れた交会穴から,現在の統一教科書に記載されている交会穴に至るまで,どの交会穴が追加され,また削除されたのかについて詳細にまとめられている。また,交会穴の臨床効果についても,関元穴と風池穴を例にしてその治療効果について丁寧に紹介されている。
[インタビュー] 武維屏教授にきく/ステロイド依存性喘息と中医学
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現在,気管支喘息の治療にはステロイド剤が最も有効な薬物として使われている。しかし,ステロイド剤はその優れた効果と同時に重篤な副作用と依存性が問題になっている。そのような状況で,中医薬を併用することでステロイド剤の依存性を軽減するだけでなく,副作用もおさえることができるという。今回,長年にわたりステロイド依存性の喘息に対して系統的に中医薬の臨床と研究を進め,国内外の関心を集めている北京中医薬大学東直門医院呼吸器内科の武維屏教授にお話をうかがった。ステロイド治療過程において変化する症候を中医学的に捉えて治療する様子が明快である。
[インタビュー] 仝小林教授にきく
――SARS治療におけるステロイド剤と中医学 |
昨年,世界を震撼させたSARS大流行の混乱の中,北京中日友好医院中医内科の仝小林教授は,中日友好医院内で96名の患者に中医治療を行って,死亡率ゼロの成績を収めた。今回,SARS治療過程におけるステロイド剤と中医薬の応用についてお話をうかがった。SARS治療におけるステロイド剤の大量使用の功罪,そして仝教授が実際の臨床にあたって,ステロイド剤による副作用の防止・軽減するために,どのようにして中医薬を応用したのかについて説明していただいた。
これまで,針灸処方の形成過程についてきちんとまとめられたものは数少ない。今回紹介するこの文献は,大きく後漢以前,晋~金代,元明清代の3つの時代に区分して,それぞれの時代の針灸処方の特徴について簡潔にまとめられている。とりわけ,元明清代になって,それまで主であった単穴処方から配穴処方が主流になるなど飛躍的に針灸処方が発展したことが指摘されている。
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