本号の主な内容
【特集/「温胆湯」を使いこなす】
■温胆湯は中国八大名方の一つ。幅広い疾患に使用できるので
有名。とくに精神神経科疾患で抜群の効果を発揮する。
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■必読文献◎はじめて明らかにされる
――日本と中国の生薬名の相違
■インタビュー◎歯科における中医学の役割
■針灸特別企画◎李世珍先生の針を追試して
――劇的な効果を生む針
■論文◎中医学の重み――西洋医学との比較
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目次
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特集/「温胆湯」を使いこなす
* 温胆湯(小金井信宏)
* 孟樹江教授による温胆湯の臨床運用(楊進)
* 温胆湯の臨床応用(謝昌仁)
* 応用範囲の広い温胆湯(趙化南)
* 温胆湯の症例報告(李樹年)
* 当代名中医による温胆湯の運用状況(陳明)
* 温胆湯の古医案3例(黄煌)
* 温胆湯の臨床応用と薬理研究(瞿融)
* 李世珍先生の針
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李世珍先生の針を追試して(白川徳仁)
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李世珍先生の補瀉手技について(新国豊)
* インタビュー/
・日本歯科東洋医学会の最近の動き(岡村興一)
・歯科領域において中医学はどんな役割を果たしますか(宮田隆)
* 印象に残る症例/慢性腰痛症に対する漢方治療を
再認識させられた症例(柳井利之)
* 系統中医学講座ダイジェスト<第2回>
生体機能にみる陰陽の側面と意義(仙頭正四郎)
* 特別企画/日本と中国の生薬名の比較(小松新平・佐橋佳郎)
* 針灸質問コーナー
1/手の発汗(徐恒沢)
2/百会穴への刺し方(王財源)
3/胃気の脈について(川井正久・川合重孝)
4/濡の読み方(宮川浩也)
5/魂魄の臨床的意義について(新村勝資)
コメント/「百会穴の取穴便法」に関連して(浅川要)
* 弁証論治トレーニング<33>関節痛
・回答へのコメント(高橋楊子・呉澤森)
* 中医鍼灸学を臨床に活かすために<13>
診断学における中級への道(痺証腰痛を例に)(金子朝彦)
* 鍼灸症例/変形性膝関節症のパソコンによる中医弁証(吉備登)
* 呉澤森先生の臨床現場から/しゃっくりの治療(宮内和子)
* 鍼灸臨床研修日記<2>「中医研診察室」のベッドサイド(冷え症)
(大谷泰弘)
* 針灸臨床へのはげみ/中国留学経験をどう生かしているか(1)
(杉之原條司)
* 中医針灸/臨床入門講座<7>婦人科疾患(呉澤森)
*―*―* ここに注目! *―*―*
日本と中国のあいだで,同じ基原の生薬でありながら,生薬名が異なっていたり,同じ名称を使っていても,実質の生薬はまったく別のものであったりする。この違いが学術的にも臨床的にも大きい混乱を生み出している。中国の書籍で紹介される生薬がまったく別の効能をもつ生薬であったとすれば,臨床効果も異なったものになるだろう。この混乱を修正するために,生薬の流通に詳しい栃本天海堂の小松新平さんと元ウチダ和漢薬の佐橋佳郎さんが共同で執筆。初めて日中生薬名の比較のたたき台が出来上がった。