『医在厨房 医薬は台所にあり』目次
目 次
はじめに
1|医と食のはじまり
1 医学のはじまり
盤古開天劈地と三皇神話/『山海経』の記録/神農と『神農本草経』/火を手に入れる
2 薬は厨房から生まれた
厨房とは/薬を厨房で加工/料理人・伊尹の功績/『傷寒論』の元となった『湯液経法』
3 名医は食医
『周礼』にみる医療制度と食/華佗は大蒜酢を利用した/料理にも精通していた張仲景/脚気病と葛洪/孫思邈の教え/汪廷元の温病治療
4 不老と長寿
ギリシャ神話と中医学/崇められる黄帝/長寿の根本/不老長寿を求めた帝王
5 器の歴史
新石器時代から使われていた陶器/青銅器から磁器へ/煎じ薬には必ず陶器を/「食器」から生まれた文学的表現
6 箸の役割
箸のはじまり/箸は命を守る/箸にも効能がある
2|五味と五性
1 五味と五性のちから
五味と健康/五味と病気/五性と健康
2 塩の役割(鹹味)
現在の塩ができるまで/国の盛衰も左右/塩の効能/味の王様は塩
3 醬と醬油(鹹味)
「醬」から醬油へ/孔子の「不得其醬不食」/救急薬・万能薬としての醬油
4 梅と酢(酸味)
梅から醋/酢の起源/酢の薬効/酢を飲む健康法には注意/「喫酢」は「やきもち」
5 蜂蜜と砂糖(甘味)
甘味は万人の味/砂糖の伝来/甘味の効能と副作用/蜂蜜の効用/さまざまな糖類/甘味をもつ食材
6 苦味の食物
苦味の代表は茶/食物としての茶/龍井蝦仁/擂茶/茶で薬を溶かす/苦瓜(ゴーヤー)/萵苣(ちしゃ)/苦菜/蒲公英(タンポポ)/苦味の効能
7 辛味の使い分け
古典にみる辛いもの/生姜/韮(韭)/葱/薤(薤白)/蒜/唐辛子
3|食の効能と文化
1 水の薬効
味は水から始まる/水は気血のもと/泉の水で健康に/中薬と水の相性
2 五穀と料理
五穀は古代の食糧/五穀は体を養う/ご飯とお粥の誕生/いろいろな粥とご飯/病気に用いる粳米/穀類から作る麴
3 小麦の利用
小麦の起源/「湯餅」は麵類/「胡餅」は焼餅/ワンタンと餃子/饅頭と諸葛孔明/小麦粉の治療効果
4 五臓を養う肉
豚肉/鶏肉/羊肉/牛肉/馬肉/犬肉/肉と五臓の関係
5 油脂の効能
脂膏の使用/胡麻油の歴史/古典にみる植物油の効能/中医学からみた油脂
6 豆腐の魅力
豆腐の歴史/さまざまな豆腐料理/豆腐の文化/豆腐の医療的価値
7 茶の愉しみ
緑茶の代表、龍井茶/温性のプーアール茶/烏龍茶が革命的に広がった理由/茶の輸出と普及/薬としての茶/文化としての茶
8 酒の文化
酒の発明/『詩経』にみる酒/酒に酔う/医療と関わる酒/紹興酒
4|食の発展、医の発展
1 夏・商・周・秦の時代
青銅器にみる「貪欲」/穀類や野菜の栽培/牧畜と肉食/身体の発達/「南橘北枳」という考え方/邪気を払う端午節/当時の伝説的名医
2 漢代の恩恵
現代に伝わる重要な専門書/豊かになった食生活/温室栽培や調理法の進歩/メロンが命取りに?/覇王別姫の特別料理
3 隋の輝き
隋代の医療制度/『諸病源候論』などの重要な医学書/大運河の開通/素食の推奨
4 最も豊かな唐代
本草学の発展/孫思邈の養生思想/漁業の発展/鯉魚躍龍門/李白と四川名物「太白鴨」/武則天と虫草全鴨
5 飲食文化の成熟期、宋代
政府主導の医学発展/美食の時代の幕開け/牛蒡の食用が定着/一日三食は宋代から/厨娘と羊肉/美食家だった蘇東坡
6 食養生が盛んな金元時代
圧政から生まれた名物料理/飲膳太医・忽思慧/賈銘と『飲食須知』/金元四大家/李東垣と『脾胃論』
7 絢爛な明の時代
医学書の出版と新学説/李時珍と『本草綱目』/朱元璋と美食文化/「酸梅湯」から始まった明王朝/『金瓶梅』にみる食養生/養生長寿の『遵生八箋』
8 清王朝の発展
文化の融合と医学の発展/温病学の形成/医学に精通していた皇帝たち/老人を大事にする「千叟宴」/養生のための粥文化/西太后の「八仙糕」と菊茶/傅山の薬膳料理「頭脳」/詩人・袁枚の『随園食単』/『紅楼夢』の食生活
参考文献