はじめに
序
自序
第1論~第50論
第1論 伝統的な方法を用いた『傷寒論』研究について論じる
1 『内経』の理論をもって,『傷寒論』の難を解する
2 『金匱要略』を結合してその意味を全うする
3 『神農本草経』を参考にして薬物の効用を論じる
4 法を学び,方にこだわらない
5 薬をもって証を測る
6 病機を把握して主証を把握する
7 原文を暗唱する
8 前後の条文を参考にして,原文同士の関係から意味を分析する
9 方をもって証を分類し,帰納分析する
10 証をもって方を分類し,弁証を強化する
11 誤治の状況に対して柔軟に対応する
12 条文の配列順序に注意して,全体を縦横にみる
13 方後注を研究して,疑問や誤解を解決する助けとする
14 字句のないところに答えを求める(行間を読む)
第2論 六経および六経弁証について論じる
第3論 太陽が表を主ることについて論じる
第4論 病が「陽に発する」と「陰に発する」について論じる
第5論 麻黄湯証について論じる(日本語版補論)
第6論 桂枝湯について論じる
1 桂枝湯を解表に用いるとき,それは解肌剤であって発汗剤ではない
2 桂枝湯には営衛を調和させる働きがある
3 桂枝湯には脾胃を調和させ,陰陽を調和させ,温中補虚・滋壮気血の働きをもつ
第7論 桂枝湯の方後注の意義について論じる
第8論 「陽明は顔を主り,顔の治療においては陽明を取る」ことについて論じる
第9論 「およそ桂枝湯を服用して吐く場合,その後必ず膿血を吐く」について論じる
第10論 営弱衛強と営衛不和の区別について論じる
第11論 桂麻合剤と仲景の作った合方の方法について論じる
第12論 仲景が桂枝湯を用いて妊娠悪阻を治療したことについて論じる
第13論 第39条の大青竜湯の証治について論じる
第14論 小青竜湯で喘を治療することについて論じる
第15論 小青竜湯は麻黄湯加減によるものではないことについて論じる
第16論 五苓散証には表邪がない場合もあるかどうかについて論じる
第17論 五苓散の臨床応用について論じる
1 五苓散は癲癇病を治療できる
2 五苓散は下痢を治療できる
3 五苓散は心下痞を治療できる
4 五苓散は「水逆」を治療できる
第18論 白虎湯証の原文にある「裏に寒あり」について論じる
第19論 脾約について論じる
第20論 小柴胡湯証の治療について論じる
1 小柴胡湯は少陽を和解することができ,少陽病を主に治療する
2 小柴胡湯は疏肝・調脾・和胃することができ,肝気鬱結・肝脾不和・肝胃不和などの証の治療に用いられる
3 小柴胡湯は外感病を治療できる
4 小柴胡湯は熱入血室証を治療し,その治療は血にある
5 小柴胡湯で陽微結証を治療する
6 小柴胡湯で黄疸を治療する
7 小柴胡湯で少陽頭痛証を治療する
8 小柴胡湯で肝熱犯胃の嘔吐証を治療する
9 小柴胡湯は発熱を治療する
10 小柴胡湯は便秘を治す
第21論 「少陽は半表半裏である」ことについて論じる
第22論 「大柴胡湯の治療は主に陽明にある」ことについて論じる
第23論 柴胡桂枝乾姜湯証は水飲内停ではないことについて論じる
第24論 大黄黄連瀉心湯に黄が入っていないことについて論じる
第25論 陽明三急下証と少陰三急下証について論じる
第26論 真武湯証の発熱について論じる
第27論 桂枝去桂加茯苓白朮湯証について論じる
第28論 「黄疸は必ず血を傷害し,黄疸の治療には活血が必要である」ことについて論じる
第29論 「調胃承気湯は先に胃を調整する」という意味があることについて論じる
第30論 太陰の腹満腹痛証について論じる
1 第273条「太陰の病たる,腹満して吐し,食下らず,自利し益甚だしく,ときに腹自ら痛む,もしこれを下せば,必ず胸下結硬す」
2 第279条「本太陽病,医反ってこれを下し,よりて腹満しときに痛むものは,太陰に属すなり,桂枝加芍薬湯これを主る,大実痛のものは,桂枝加大黄湯これを主る」
3 第280条「太陰の病たる,脈弱,その人続いておのずと便利し,設しまさに大黄・芍薬を行るべきものは,これを減ずべし,その人胃気弱きをもって,動じ易きゆえなり」
第31論 太陰病の下痢に「四逆輩を服すに宜し」という理論について論じる
第32論 結胸証は邪が胸中に結するのではないことについて論じる
第33論 いわゆる「麻黄湯の禁忌」について論じる
第34論 「経方」の時系列分析について論じる
麻黄湯系列の分析
第35論 半夏瀉心湯証の寒熱錯雑について論じる
第36論 『傷寒論』の四逆散証の治療について論じる
第37論 少陰病篇の中の呉茱萸湯証について論じる
第38論 「陽微結」証が少陽病に属さないことについて論じる
第39論 竹葉石膏湯証について論じる
第40論 弁証論治の中で注意すべき問題について論じる
1 西洋医学の診断に拘泥しない
2 疑難病証に対しては,治法を守り処方を守って,治療を堅持する必要がある
3 薬物実験の報告にこだわらない
4 診断と治療にあたっては季節を考慮する必要がある
5 治療効果がないときは,ほかの要素を考慮する
6 最も重要なことは弁証論治である
7 病機をつかめば,1つの方剤で多くの病を治療することができる
第41論 「一部の浮脈があれば,すなわち一部の表証がある」について論じる
第42論 「一部の悪寒があれば,すなわち一部の表証がある」について論じる
第43論 「傷寒を発汗させるのは早いほうがよく,温病を下すのは遅れるべきではない」ことについて論じる
第44論 「衄を以て汗の代わりとなす」について論じる
第45論 「冬には石膏を用いず,夏には麻黄を用いない」について論じる
第46論 「発汗しても解さない場合,風ではなく湿である」について論じる
第47論 風は湿に勝る働きがあることについて論じる
第48論 「小便利するを以て,大便を実する」について論じる
第49論 「血がめぐらなければ,則ち水病になる」について論じる
第50論 弁証論治の大原則について論じる
臨床治療経験例
桂枝湯証
1.ときに発熱,発汗する症例
2.風疹(蕁麻疹)の症例
桂枝加厚朴杏仁湯証
喘咳の症例
五苓散証
1.心下痞の症例
2.霍乱吐瀉の症例
3.癲癇の症例
四逆散証
1.頑固な呃逆(しゃっくり)の症例
2.手足厥冷に拘攣を兼ねる症例
大柴胡湯証
1.脇痛病に嘔吐を兼ねて止まらない患者の症例
2.インポテンスの症例
調胃承気湯証
赤面紅斑の症例
抵当湯証
1.瘀血による発熱の症例
2.瘀血による発狂の症例
桃核承気湯証
血尿(アレルギー性紫斑病)の症例
麻黄附子細辛湯証
少陰傷寒,外感発熱の症例
烏梅丸証
嘔吐の症例
呉茱萸湯証
頭痛に嘔吐を伴う症例
苓桂朮甘湯証
1.胸痹証の症例
2.かすみ目の症例
小青竜湯証
哮喘(気管支喘息)の症例
白頭翁湯証
1.痢疾の症例
2.巓頂部の湿疹の症例
葛根黄芩黄連湯証
外感発熱に下痢を兼ねる症例
柴胡桂枝湯証
1.四肢麻痺の症例
2.脇痛の症例
当帰四逆湯証
下肢の冷えと疼痛の症例
当帰四逆加呉茱萸生姜湯証
月経痛の症例
索引
著者紹介