日本の読者への手紙
第1章 四診の習得は弁証論治の必須条件である
・症例1 癥瘕疝痛(卵巣嚢腫茎捻転)
・症例2 喘咳(老人性慢性気管支炎,肺気腫,肺性心,心不全Ⅱ~Ⅲ度)
・症例3 眩暈,不眠症(低血圧)
・症例4 少陽の鬱熱(原因不明の発熱)
・症例5 閉経,血瘀生斑(亜急性紅斑性狼瘡)
■解説
1.望診では「形」・「神」・「色」・「舌」・「物」・「境」に注意する
2.聞診では「息」・「声」・「味」・「語」に注意する
3.四診のうち問診の重要性
4.脈の切診,頭・足・腹の切診
5.脈の切診で「脈神」を審(つまびらか)にする
6.「四診合参」について
第2章 弁証論治の基礎は中医理論である
・症例1 夜尿症
・症例2 咳血(気管支拡張症の疑い)
・症例3 倒経(脳動靜脈奇形)
・症例4 尿失禁,歯痛
・症例5 膀胱咳
■解説
1.重症の夜尿症について
2.毎晩起こる大咳血について
3.「治病は必ず本に求む」について
4.整体観からみた病機の変化
5.運動変化の中の動態平衡
第3章 治療法則を随証的に運用する
・症例1 痎瘧(発熱,原因精査)
・症例2 瘛瘲(脳腫瘤?)
・症例3 中風(脳動脈血栓症)
・症例4 重症不眠症
・症例5 不眠症と遺精
■解説
1.痎瘧について
2.和解法の運用について
3.平肝熄風法の運用について
4.治則と治法の結合と運用について
5.中風病の中経証と中腑証は大便の通利に注意する
6.不眠症について
第4章 方薬を臨機応変に運用する
・症例1 両側胸壁腫瘤
・症例2 肝腎気滞,湿蓄膀胱(尿路結石)
・症例3 嘔吐,便秘(外傷性骨折後遺症)
・症例4 流産後の残留胎盤
・症例5 脱毛
■解説
1.方剤は臨機応変な加減と随証変化を行わなければならない
2.証状に応じて果敢に新処方を組み立てよ
3.薬方加減変化の方法
4.経方・時方・土単験方の長所を取り入れる
第5章 西洋医学で診断された疾患にも弁証論治を行う
・症例1 弄舌風(小舞踏病)
・症例2 胸痺(急性心筋炎)
・症例3 黄疸(黄疸型急性伝染性肝炎)
・症例4 暑温挟湿(日本脳炎)
・症例5 頭風病(シーハン症候群)
■解説
1.「画一的」な治療法では効果があがらない
2.西医の「病名」は中医治療の根拠にはならない
3.「中薬西用」の効果は期待できない
4.弁病と弁証について
第6章 同病異治と異病同治
・症例1 腹痛(急性胃炎)
・症例2 胃脘痛(急性胃炎)
・症例3 太陽と陽明の合病(サルモネラ感染症)
・症例4 哮喘
・症例5 哮喘
■解説
1.同病異治
2.異病同治
3.同病異治と異病同治の発展的運用
第7章 弁証論治学習上の問題点
・症例1 痺証(オウ痺)(慢性関節リウマチ,RA)
・症例2 偏頭痛(血管神経性頭痛)
・症例3 腸癰(急性虫垂炎)
・症例4 少陽に湿熱の伏せる証(発熱精査)
・症例5 偏頭痛(頸椎病)
■解説
1.いくつかの重要な学術思想
2.弁証に関するいくつかの問題点
3.論治に関する問題点
4.熟読すべき書籍
第8章 弁証論治の水準を発展させよう
・症例1 石淋(尿管結石)
・症例2 頭痛・動悸(第3度房室ブロック)
・症例3 懸飲(滲出性胸膜炎)
・症例4 胸痺(冠動脈疾患,狭心痛)
・症例5 眩暈・頭痛・柔痙(腎性・悪性高血圧)
■解説
1.四診を充実させ客観性をもたせる。場合によっては五診・六診に
発展させねばならない
2.論治の面でも長所を生かし,短所を補い,発展向上させなければならない
3.弁証論治の向上,中医学の現代化そして中西医合作
訳注
訳者あとがき…生島 忍
焦樹徳教授の略歴