第1節 刺絡鍼法の起源と発展
1 刺絡鍼法の起源
2 刺絡鍼法の発展
[1]理論体系の初歩が形成された段階(戦国時代から三国時代まで)
[2]緩やかな発展の段階(晋~唐)
[3]優れた成果を得て,新たな段階を作り出す(宋~元)
[4]新たな発展段階(明~清)
[5]低い谷から成熟の段階へ
(阿片戦争~現在の中華人民共和国の成立まで)
第2節 刺絡鍼法の理論的根拠と基本原則
1 刺絡の理論的根拠
2 刺絡の基本原則
[1]血実すれば宜しくこれを決すべし
[2]宛陳は之を除く
第3節 刺絡鍼法の特徴および主要作用
1 刺絡鍼法の特徴
[1]適応症が広範囲
[2]比較的速効性がある
[3]操作が簡便である
[4]副作用が少ない
2 刺絡鍼法の主要作用
[1]泄熱去邪
[2]化瘀通絡
[3]啓閉醒神〔閉を啓し,神を醒す〕
[4]解毒救急
[5]調気和営〔営衛気血を調和させる〕
第4節 刺絡鍼法の用具と方法
1 刺絡鍼法の用具
[1]三稜鍼
[2]粗圓鍼
[3]皮膚鍼
[4]小眉刀
[5]瓷鋒鍼,陶鍼
[6]杯罐
2 刺絡鍼法の方法
[1]点刺法
[2]散刺法
[3]叩刺法
[4]挑刺法
[5]割点法
[6]鍼罐法
[7]火鍼法
[8]その他
第5節 「刺絡鍼法」の注意事項および禁忌について
1 刺絡の注意事項
[1]形神を詳しく観察する
[2]虚実を明かにする
[3]其の本と標を知る
[4]其の気血を定める
[5]時節に順応する
2 刺絡鍼法の禁忌
[1]重要な臓器付近で刺絡鍼法を行なう場合,
深刺は避けなければならない。
[2]動脈ならびに比較的太い静脈の刺絡鍼法は禁忌である。
[3]虚証,とくに血虚あるいは,陰液欠損の患者は,禁忌である。
[4]妊婦ならびに習慣性流産歴がある者は禁忌である。
[5]病人が一時的な疲労,空腹,満腹,情動の失調,気血が定まらない
などの状況のもとでは,刺絡鍼法はできるだけ避けこの様な
暫時的な状況がなくなった後に行なうとよい。
第6節 刺絡鍼法における選穴の特徴と原則
1 刺絡鍼法における選穴の特徴
[1]多くの特定経穴を使用
[2]多くの奇穴を使用
[3]その他の多くの部位を使用
2 刺絡鍼法における経穴の組合せの基本原則
[1]経絡上の選穴
[2]局部経穴の使用
[3]特殊な選穴
第1節 常用される腧穴
1 頭,顔面部の腧穴
百 会(督脈)GV20
上 星(督脈)GV23
頭 維(足の陽明胃経)S8
通 天(足の太陽膀胱経)B7
前 頂(督脈)GV21
率 谷(足の少陽胆経)G8
承 霊(足の少陽胆経)G18
頭竅陰(足の少陽胆経)G11
目 窓(足の少陽胆経)G16
頭臨泣(足の少陽胆経)G15
角 孫(手の少陽三焦経)TE20
印 堂(経外奇穴)
攅 竹(足の太陽膀胱経)B2
絲竹空(手の少陽三焦経)TE23
瞳子髎(足の少陽胆経)G1
水 溝(督脈)GV26
地 倉(足の陽明胃経)S4
承 漿(任脈)CV24
下 関(足の陽明胃経)S7
頬 車(足の陽明胃経)S6
太 陽(経外奇穴)
素 髎(督脈)GV25
迎 香(手の陽明大腸経)LI20
内迎香(経外奇穴)
金津,玉液(経外奇穴)
齦 交(督脈)GV28
廉 泉(任脈)CV23
痄 霊(経外奇穴)
風 府(督脈)GV16
天 柱(足の太陽膀胱経)B10
風 池(足の少陽胆経)G20
顱 息(手の少陽三焦経)TE19
瘈 脈(手の少陽三焦経)TE18
2 上肢の腧穴
肩 髃(手の陽明大腸経)LI15
肩 髎(手の少陽三焦経)TE14
臂 臑(手の陽明大腸経)LI14
曲 池(手の陽明大腸経)LI11
尺 沢(手の太陰肺経)L5
曲 沢(手の厥陰心包経)P3
大 陵(手の厥陰心包経)P7
郄 門(手の厥陰心包経)P4
孔 最(手の太陰肺経)L6
後 谿(手の太陽小腸経)SI3
腕 骨(手の太陽小腸経)SI4
陽 谷(手の太陽小腸経)SI5
列 缺(手の太陰肺経)L7
合 谷(手の陽明大腸経)LI4
二 間(手の陽明大腸経)LI2
三 間(手の陽明大腸経)LI3
陽 谿(手の陽明大腸経)LI5
魚 際(手の太陰肺経)L10
少 商(手の太陰肺経)L11
商 陽(手の陽明大腸経)LI1
手四穴(新穴)
中 衝(手の厥陰心包経)P9
関 衝(手の少陽三焦経)TE1
少 衝(手の少陰心経)H9
少 沢(手の太陽小腸経)SI1
神 門(手の少陰心経)H7
十 宣(経外奇穴)
四 逢(経外奇穴)
八 邪(経外奇穴)
3 胸腹部の腧穴
中 府(手の太陰肺経) L1
乳 根(足の陽明胃経)S18
中 脘(任脈)CV12
腹四穴(新穴)
天 枢(足の陽明胃経)S25
陰 交(任脈)CV7
気 海(任脈)CV6
中 極(任脈)CV3
章 門(足の厥陰肝経)LIV13
京 門(足の少陽胆経)G25
4 腰背部の腧穴
肩 井(足の少陽胆経)G21
身 柱(督脈)GV12
霊 台(督脈)GV10
至 陽(督脈)GV9
肩中兪(手の太陽小腸経)SI15
命 門(督脈)GV4
腰陽関(督脈)GV3
十七椎下(経外奇穴)
腰 兪(督脈)GV2
長 強(督脈)GV1
大 杼(足の太陽膀胱経)B11
風 門(足の太陽膀胱経)B12
膏 肓(足の太陽膀胱経)B43
イ 譆(足の太陽膀胱経)B45
八 髎(足の太陽膀胱経)B31~B34
華陀挟脊(経外奇穴)
5 下肢の腧穴
膝 眼(経外奇穴)
足三里(足の陽明胃経)S36
上巨虚(足の陽明胃経)S37
下巨虚(足の陽明胃経)S39
条 口(足の陽明胃経)S38
豊 隆(足の陽明胃経)S40
陽陵泉(足の少陽胆経)G34
懸 鐘(足の少陽胆経)G39
委 中(足の太陽膀胱経)B40
承 山(足の太陽膀胱経)B57
崑 崙(足の太陽膀胱経)B60
三陰交(足の太陰脾経)SP6
太 谿(足の少陰腎経)K3
商 丘(足の太陰脾経)SP5
内踝尖(経外奇穴)
公 孫(足の太陰脾経)SP4
然 谷(足の少陰腎経)K2
隠 白(足の太陰脾経)SP1
外踝尖(経外奇穴)
至 陰(足の太陽膀胱経)B67
足竅陰(足の少陽胆経)G44
湧 泉(足の少陰腎経)K1
解 谿(足の陽明胃経)S41
足臨泣(足の少陽胆経)G41
内 庭(足の陽明胃経)S44
厲 兌(足の陽明胃経)S45
大 敦(足の厥陰肝経)LIV1
八 風(経外奇穴)
行 間(足の厥陰肝経)LIV2
太 衝(足の厥陰肝経)LIV3
第2節 そのほかの常用穴と部位
1 耳穴
【分布】
【方法】
【臨床応用例】
1.耳尖
2.交感
3.神門
4.咽喉
5.平喘
6.皮質下
7.枕
8.太陽
9.胃
10.肝
11.脾
12.肺
13.面頬
14.腎上腺
15.扁桃体
2 阿是穴と反応点
【分布】
【操作方法】
【臨床応用例】
1.阿是穴
2.反応点
3 表在皮静脈について
【分布】
【操作方法】
【臨床応用例】
1.後耳介静脈
2.浅側頭静脈
3.舌下静脈
4.正中皮静脈
5.膝窩静脈
6.腧穴周囲に露出している静脈
第1節 熱中症と中毒疾患
1 熱中症
2 一酸化炭素中毒
3 亜硝酸塩中毒(青紫病)
4 腸炎ビブリオ(急性好塩菌食中毒)
5 ブドウ球菌食中毒
第2節 感染症
1 インフルエンザ(流行性感冒)
2 麻疹(はしか)
3 ポリオ後遺症
4 日本脳炎
5 流行性耳下腺炎
6 ジフテリア
7 百日咳
8 細菌性赤痢
9 マラリア(瘧疾)
第3節 内科疾患
1 気管支炎
2 気管支喘息
3 リウマチ様関節炎(慢性関節リウマチ)
4 高血圧症
5 脳血管障害および後遺症
6 椎骨脳底動脈循環不全症
7 十二指腸壅積症
8 三叉神経痛
9 顔面神経麻痺
10 肋間神経痛
11 坐骨神経痛
12 外側大腿皮神経痛(ロート・ベルンハルト症)
13 血管性頭痛
14 外傷性対麻痺
15 慢性腰痛
16 てんかん
17 本態性低血圧症
18 肢端紅痛症
19 レイノー病(肢端動脈痙攣病)
20 精神病
21 神経症
第4節 小児疾患
1 発熱
2 小児けいれん
3 夜泣き
4 肺炎
5 麻疹に合併した急性喉頭炎
6 下痢症
7 秋季の下痢症
8 小児の栄養失調症
9 回虫症
第5節 産婦人科疾患
1 月経過多症
2 月経困難症(月経痛)
3 病的帯下
4 産後の乳汁分泌不全
5 産後の尿閉
第6節 外科・整形外科疾患
1 毛嚢炎
2 癤
3 丹毒
4 下肢の慢性潰瘍
5 急性リンパ管炎
6 急性乳腺炎
7 骨関節結核
8 痔核
9 脱肛
10 下肢静脈瘤
11 バージャー病(閉塞性血栓血管炎)
12 胆嚢炎,胆石症
13 急性虫垂炎
14 肩関節周囲炎(凍結肩,五十肩)
15 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
16 急性腰椎捻挫(ぎっくり腰)
17 半月板損傷
18 梨状筋症候群
19 足関節捻挫
20 頸椎捻挫(寝違い)
21 頸椎症候群(頸椎症)
22 変形性脊椎症
23 結合織炎
24 骨折後の機能障害
第7節 感覚器科
1 麦粒腫(偸鍼眼)
2 霰粒腫(瞼板腺包腫)
3 急性カタル性角結膜炎
4 流行性角結膜炎
5 流行性出血性角結膜炎(急性濾胞性結膜炎)
6 翼状片
7 老人性白内障
8 網膜中心動脈閉塞症
9 電気性眼炎(紫外線眼炎)
10 急性咽頭炎
11 慢性咽頭炎
12 急性扁桃炎
13 急性喉頭炎
14 アフタ性口内炎
15 舌炎(地図舌)
16 鼻出血
17 内耳性眩暈
第8節 皮膚科疾患
1 尋常性疣贅
2 青年性扁平疣贅
3 伝染性軟属腫(水いぼ)
4 足底疣贅
5 単純性疱疹
6 帯状疱疹
7 じんましん
8 湿疹
9 接触性皮膚炎(漆かぶれ)
10 神経皮膚炎
11 乾癬(牛皮癬)
12 肝斑
13 白斑
14 尋常性痤瘡(にきび)
15 円形脱毛症(斑禿)
16 壮年性脱毛症(若禿)
17 鶏眼(魚の目)
18 凍瘡(しもやけ)
19 足白癬(水虫)
1 刺絡鍼法の作用機序における研究の現状
1.血液成分に対する影響
2.血管機能に対する影響
3.神経―筋肉に対する影響
4.免疫防御機能に対する影響
5.体温調節機能に対する影響
6.消化機能に対する影響
2 国外の刺絡鍼法についての簡単な紹介
3 瀉血療法に関して
4 刺絡鍼法による内科的急性疾患治療の近況
1.急性発熱
2.急性意識障害
3.急性咽頭痛
4.急性耳下腺炎
5.呼吸困難
6.急性胸肋痛
7.高血圧
8.急性下痢
9.急性腹症
10.急性関節痛
11.急性頭痛
12.めまい
13.中毒
5 刺絡鍼法による神経科疾患,精神病の治療の概況
1.神経科疾患の治療
[1]神経痛
[2]末梢性顔面神経麻痺
[3]大腿外側皮神経炎
[4]脳血管障害とその後遺症
[5]てんかん
[6]血管神経性頭痛
[7]自律神経系疾患
[8]感染性脳脊髄疾患の後遺症
[9]小児麻痺
[10]痿証
[11]変形性頸椎症による神経圧迫
[12]外傷性対麻痺
[13]圧迫性神経炎
2.精神科疾患の治療
6 刺絡鍼法による小児科疾患治療の概況
1.高熱とひきつけの治療
2.食中毒
[1]亜硝酸塩中毒症
[2]好塩菌食中毒
3.ウイルス性伝染病
[1]麻疹
[2]流行性耳下腺炎
[3]小児麻痺
[4]脳炎とその後遺症
4.細菌性伝染病
[1]百日咳
[2]小児ジフテリア
[3]細菌性赤痢
5.呼吸器系疾患
[1]扁桃炎
[2]咽喉頭疾患
6.消化器系疾患
[1]小児疳証(栄養不良)
[2]小児の下痢
7.眼科疾患
[1]麦粒腫
[2]結膜炎
[3]霰粒腫
8.皮膚科疾患
[1]疣贅(いぼ)
[2]帯状疱疹
[3]乾癬
[4]蕁麻疹(じんましん)
[5]脱毛症
[6]小児の湿疹
9.その他
[1]小児回虫症
[2]小児の狂証
[3]夜泣き
7 刺絡吸角療法の臨床応用の概況
1.内科疾患
[1]消化器系疾患
[2]神経系疾患
[3]精神科疾患
[4]その他
2.外科・整形外科疾患
[1]外科疾患
[2]整形外科疾患
3.婦人科・小児科疾患
[1]婦人科疾患
[2]小児科疾患
4.五官〔感覚器〕科疾患
5.皮膚科疾患