程 序
私が『霊枢』『素問』を閲読するたびに強く思うのは,古代から9種の針法があるが,現代ではその多くが不完全な状態であるということだ。幸い,薜立功氏は温故知新の精神から『霊枢』『素問』の研究・読書を重ね,九針法の意義を唱え,長針や円針を規定し,また『中国経筋学』を著して,「解結針法」〔経絡の圧迫を弛緩させる針法〕に再び光りを当てた。天宝7載(748年)以降,経筋理論に中国伝統の精神を深く取り入れて海外に伝播させ,その理論を駆使してどのような頑固な痛みに対しても多くの効果をもたらしている。現在,経筋の研究は盛んになり,その研究者たちも優秀になってきている。その精華を汲み上げ糟粕を捨て去り,規範や基準を創造することを期待したい。
そしていま,劉春山先生は中国医学の継承・発揚・整理・向上を目的として,『黄帝内経』の原書を掘り起こし,臨床実践を出発点として,縦軸を中医学の経筋学に,横軸を現代医学の解剖学として中医学と西洋医学を結合した『人体経筋地図』を著した。
本書は図表が豊富で,理論と実践が融合している。学ぶ者にとっては「按図索駿」〔手がかりを頼りに駿馬を探す〕の基準となる。たいへん喜ばしいことであることを序文の言葉に代えたい。
中国工程院院士
中国針灸学会副会長
程辛農
中国中医科学院教授,主任医師,博士生指導教員
中央保健会診療専門家
中国針灸学会経筋分会副主任委員
中国針灸学会針灸灸法分会副主任委員
呉中韓
丑年の冬,中国中医研究院