▼書籍のご案内-序文

『[詳解]針灸要穴辞典』本書を読むにあたって

本書を読むにあたって


 本書は,趙吉平・王燕平編著『針灸特定穴詳解』(科学技術文献出版社,2009年刊)を底本として翻訳したものである。

 要穴とは,十二経脈や奇経八脈に属する,特有の作用をもつ腧穴のことである。中国では「特定穴」と呼ばれる。古来よりその応用が重視されており,歴代針灸医家によって研究され,応用拡大がなされてきた。要穴の理解を深め,臨機応変に活用することは,針灸の臨床効果をあげるうえでは欠かせない。
 本書では,10種類ある要穴を9つの章に分け,さらに各章を「総論」と「各論」に分けて詳説している。
・「総論」は,概説・理論的根拠・臨床応用・現代研究に分かれるが,そのうち各要穴に関する理論的説明と臨床応用とが本書の重点項目である。
・「各論」は,別名・出典・穴名解説・分類・位置・解剖・効能・主治症・配穴・手技・注意事項・古典抜粋・現代研究の項目に分けて解説しているが,そのうち効能と主治症が本書の重点項目である。効能は,各腧穴と臓腑との関係,各腧穴の穴性などから分析し,主治作用の特徴を明確にしている。主治症は,臨床に活用しやすいよう系統的に分類している。


 なお,以下に本書の表記について補足しておく。


・『各論』の「主治症」で,と記されているものは西洋病名を指している。


・経脈の国際表記の略字は,東洋療法学校協会編『経絡経穴概論』の記述に合わせて,下記の経脈の記載を変更した。
  手の少陽三焦経 SJ → TE
  任脈 RN → CV
  督脈 DU → GV


・本文中( )で表記しているものは原文注であり,〔 〕で表記しているものおよびアステリスク(*)を付けて巻末にまとめているものは訳者注である。

(編集部)