あとがき
日本では中医学を勉強する方々の数が年々増えています。中医学を学習するうえで,まずぶつかる問題は「専門用語を理解することが難しい」という点でしょう。それを解決するためには,日本の事情を十分に考慮しながら,なるべくわかりやすい言葉で,専門用語を解説することが必要です。このような要望にもとづいて,本辞典を作る企画が生まれました。
しかし,実際に始めてみると,思うほど順調に進まないことがよくわかりました。中医学用語はたいへん幅広く,また難解で抽象的なものが多いため,すべてを取り入れて説明することはわれわれの力では不可能なことでした。したがって,できるだけよく使われる基本用語にしぼって作業を進めました。進行中にもさまざまな困難を乗り越えながら,何回も何回も見直し,修正を重ねている間に,あっという間に十数年の歳月が過ぎていました。ようやく出版にいたることになり,少しでもこの辞書が読者の皆様のお役に立つものになれば,何よりも嬉しいことだと思っております。
本書の翻訳にあたっては,多くの翻訳者の方々にご尽力いただきました。また,東洋学術出版社の山本勝曠社長をはじめ,渡邊賢一,坂井由美の皆様から,貴重なご意見を数多くいただきました。多くの方々のご協力に対して,深く感謝を述べさせていただきます。
われわれの力不足により,誤った解釈や説明不十分な点があることは避けられないと思います。ともに勉強しながら進歩していくために,ぜひ中医学同志の皆様からご批判とご指導をいただければありがたいと思います。
2006年5月吉日
劉 桂平