漢方医学書のベストセラー『赤本』
■本書の紹介■
本書は,昭和63年(1988年)の発行以来,『赤本』の愛称で親しまれ,漢方を学ぶ臨床家の支持を獲得してきた名著です。すでに59回も増刷を重ねてきた書ですが,私家版であるため一般書店では流通せず,限定的に販売されてきました。このたび,当社が本書の刊行を引き継ぐことになり,これを機に本書を一般書店で流通させることにいたしました。内容・体裁とも従来のものと変更せず同じです。
エキス剤で健康保険適用の126処方を薬効別に収載。各処方とも,見開きの2頁に方意,診断のポイント,処方の特性と舌証,脉証,腹証,その他原典の読み下し文,君臣佐使,構成生薬の本草学的効能,類方鑑別などがまとめられており,特にその処方の特徴をよく表したユニークな腹証図が好評です。
【本書の特徴】
◇現在,医療機関で繁用される医療用漢方製剤のなかから
126処方を収録。
◇各処方は,解表剤・和解剤・表裏双解剤・瀉下剤・清熱剤・
温裏補陽剤・補気剤・補血剤・気血双補剤・滋陰剤・理気剤・
安神剤・利水剤・駆瘀血剤といった効能別に分類。
◇各処方の解説は,それぞれ見開き2頁で収め,以下の内容を示す。
処方名(出典)
挿絵:腹証および体表上に現れる典型的な症状を示す。
方意:処方の適応する具体的な症状を簡略に記し,
脈象と舌象を附記。
診断のポイント:証を決定するにあたって目標とすべき症候を
箇条書きで列記。
原典:出典の条文をカタカナ交じりの書き下し文で表記。
処方:構成生薬の薬物名と1日分の分量のグラム数を表記。
構成:処方の君臣佐使を記す。
方義:構成生薬の本草学的薬効と中医学的効能を記す。
八綱分類:処方の表裏・寒熱・虚実を記す。
効能:エキス製剤の適応症を記す。
類方鑑別:証のまぎらわしい処方との鑑別ポイントを記す。
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【著者略歴】
髙山 宏世(たかやま・こうせい)
1934年 鹿児島県生まれ
1962年 九州大学医学部卒業
1963年 九州大学医学部第三内科教室入局
1969年 漢方医学の独習開始
1970年 福岡鳥飼病院内科勤務
1974年 髙山クリニック(福岡市中央区)開業
1979年 寺師睦宗先生に師事
1984年 漢方三考塾(寺師先生)加盟
2005年 日本東洋医学会奨励賞受賞
2007年 院長職を辞任
以後,執筆と講演活動に専念。
所属学会:日本内科学会,日本東洋医学会
主な著書:『腹証図解 漢方常用処方解説』(1988年),『古今名方 漢方処方学時習』(1998年),『弁証図解 漢方の基礎と臨床』(2003年),以上3冊は
漢方三考塾叢書,日本漢方振興会漢方三考塾発行。
『傷寒論を読もう』(2008年,東洋学術出版社),『漢方赤本』(『腹証図解 漢方常用処方解説』電子版,株式会社オポチュニット,2011年),『臓腑経絡・三焦の弁証と処方』(分担執筆,2011年,たにぐち書店),『いのちを養う漢方講座』(2013年,たにぐち書店),
『金匱要略も読もう』(2016年,東洋学術出版社)。