鄒 大同 編著
B5判 並製 320頁
定価:本体4,800円+税
西洋医学のがん治療を補完し,長期生存も期待できる
■本書の紹介■
現代中国の病院では,がんに対して西洋医学的な標準治療をベースに,中医学を日常的に応用して,大きな成果をあげています。日本では「がん患者に漢方の補剤」という方法は一般的になりつつありますが,それだけでは,とても十分とはいえません。本書は,がんの中医治療について網羅的・体系的にまとめてあり,他に類をみない実践的な情報が満載されています。
【本書の内容】
中医学の弁証論治は,いうまでもなく,がん治療に対しても応用可能です。しかし,がん特有の進行性・難治性に対しては,弁証論治だけではなく,弁病論治・西洋医学的治療も駆使して,あらゆる方向から治療することが必要です。本書では,「総論」で中医学によるがん治療の基本的な考え方を示し,「各論」で26種類の個別のがんに対する治療法を詳しく述べています。それぞれのがんの病因病機を明らかにし,生薬・方剤・中成薬・鍼灸・薬膳・養生を用いた具体的な方法を提示します。さらに,現役の名老中医の症例で中医治療の効果を実感することができます。中医治療は,抗がん剤や放射線治療の副作用を抑え,術後の回復を早めてQOLを改善するだけではなく,長期生存に導くことも可能であることがわかります。
【本書の特色】 |
◇ | 実力ある中国人中医師が,豊富な臨床経験と多数の文献をもとに 編纂。 |
◇ | がんを切り口に,この1冊で中医学の概要が把握でき,入門者にも 最適。 |
◇ | 多数の図表を用いて,診断から治療までの道筋をわかりやすく提示。 |
◇ | 症状・所見から証を導き出し,一人一人に合う治療法が簡単に選択 できる。 |
◇ | 漢方薬(生薬・方剤・中成薬・外用薬)の具体的な応用法を詳述。 |
◇ | 現役の名老中医の症例を多数掲載。 |
◇ | 医師・薬剤師・鍼灸師・栄養士・看護師など,がん患者に向き合う 全ての人に役立つ内容。 |
◆【書評】『臨床家のための中医腫瘍学』
清水雅行先生(清水内科外科医院)
わが国のがん患者数は高齢化の影響もあり増加の一途を辿っているが,がんに対する西洋医学的治療法は日進月歩ではあるもののいまだ限界があり,終わりの見えない戦いが続いている。さまざまな補完代替医療も探求されているなか,漢方・中医学的がん治療への期待も高まりを見せており,国内においても徐々に有用なエビデンスが集積されてきている。しかしながら,現状で多く用いられている漢方エキス剤主体の治療にもやはり限界があり,われわれは今後どのようにがんに立ち向かって行くべきなのか暗中模索の状態にある。そのようななかで本書は一条の光を照らしてくれている。
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【著者略歴】 鄒 大同(すう・だいどう)
医学博士
1982年 南京中医薬大学医学部卒業
江蘇省揚州市中医院内科 医師(医員)
1987年 同内科 主治中医師(医長)
1994年 同内科 副主任中医師・腫瘍内科副部長
1996年 日本医科大学内科学講座(呼吸器・感染・腫瘍部門)に留学
2004年 同大学院医学博士学位取得,大学院特別研究生
2006年 日本中医薬研究会講師
著書: 『
中医内科学ポイントブック』(東洋学術出版社,2012年)
中華中医学会会員
中華中西医結合学会会員
世界中医薬学会聯合会腫瘤経方研究会 常務理事
日本未病システム学会会員