日本で中医を実践するベテラン医師がくり返し読んだ 焦 樹徳先生の名著『用薬心得十講』の日本語版,ついに発行!
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より深く方意を理解し,方剤を使いこなすために,生薬を知る
臨床と密接に結び付いた,生薬の効能と配合を教授する珠玉の宝物
教科書の知識を臨床に活かす格好の手引き書
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本書の内容■
名老中医による生薬活用の解説書。
308味の生薬について,性味・効能・配伍応用・用量・用法・注意事項を解説。
第1講では生薬を用いる際の留意点を解説,第2~9講では分類ごとの生薬の解説,第10講では方剤を組む際の注意点を解説。
著者の豊富な臨床経験にもとづいた生薬の用法と配合例が特徴。
巻末には,訳者による「中医用語解説」を付録として掲載。
方意を理解するうえで欠かせない,生薬を知るための1冊。
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本書の特徴■
◇教科書の形式的な表現ではなく,生薬の特性を熟知した名医の
智恵と運用経験がぎっしりと詰まった深みのある解説書
◇1つ1つの生薬について,まず簡潔に効能を示し,
ついでその効能を活かすための配合を丁寧に述べる
◇臨床の場面に応じた生薬の配合例が豊富で適切
◇禁忌や用量の加減など,より具体的な運用方法を紹介
◇「使い分けのポイント」として,類似の効能をもつ生薬を比較し,
その共通点・相違点を説明して使い分けを明確に示す
【日本中医学会会長・平馬直樹先生推薦の書】
中薬学の教科書で同じ分類項目(例えば利水薬・補益薬など)に属していても各薬物には個性があり,またいくつもの顔をもち,それぞれいろいろな場面に応用できる。それは薬物の配合により発揮される。
本書は臨床の場面に応じた配合の例が豊富で適切である。
中薬学の教科書を学び,その知識を臨床に活かす次のステップの学習に,本書が役立つ。
☞「推薦の序」のつづきはこちら
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◆【書籍紹介】『名医が語る生薬活用の秘訣』
加島雅之先生(熊本赤十字病院)
ようやく,この本が翻訳されたか,という思いとともに,日本の漢方・中医のレベルが新しい時代に入った,という思いを新たにさせられた本書の翻訳出版であった。中医学を志し,一般的な教科書を学んだあとで,臨床力を向上させようと考えたときに,先達からこの本を薦められた経験をおもちの方も多いのではなかろうか。かくいう筆者もこの本を手に取り学んだ一人であった。以前はこの書を中国語と格闘しながら必死になって読んだものである。それが,ついに日本語の読みやすい訳文で手軽に手に取ることができるようになったのである。
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◆あわせて読みたい◆ 『別冊・常用生薬一覧表』
本書の第2講から第9講に収載されている見出し生薬308味について,各生薬の「性味・帰経」「主な効能」「主治」「配合応用」「用量・用法」「使用上の注意」を表の形にまとめた一覧表。 |
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著者略歴:
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焦 樹徳 (しょう・じゅとく)
1922年生まれ。河北省束鹿県(現・辛集市)出身。
幼い頃より外祖父に就いて中医と古典医籍を学ぶ。
また通信教育により中医学・西洋医学を系統的に学ぶ。1941年医業に就く。
1951年北京市立第二医院の内科医師となり,西洋医学も研鑽するかたわら蒲輔周・黄竹斎・秦伯未ら名中医の教えを受ける。
1955年より「西医学習中医研究班」に参加。1958年から北京中医学院(現・北京中医薬大学)内科教研室に配属され,教育に携わる。
1984年,北京中日友好医院に赴任。内科疑難重病の治療を得意とし,特に痺証には造詣が深く,「尪痺」という新たな概念を創出した。
一方,各国の中医学研究所の顧問となって学術交流に努めるなど,国際的にも活躍。代表著作である『従病例談弁証論治』(邦訳名
『症例から学ぶ中医弁証論治』)・『用薬心得十講』(本書)・『方剤心得十講』などは海外でも翻訳出版されている。
中国中医薬学会顧問,中国中医研究院研究生部客員教授,『中医雑誌』編集委員など,数々の要職を歴任。2008年6月,病のため北京にて逝去。享年86。
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訳者略歴:
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国永 薫 (くになが・かおる)
1965年 東京生まれ
1988年 東京薬科大学卒業
製薬会社勤務後,横浜にてサカイヤ薬局・いまい漢方薬局勤務。
2013年4月まで,横浜・東京にてくま薬局勤務。