この症例はどのように分析・治療すればよいのか
臨床でよくみられる30の実症例を例に,呈示された症例をまず自力で解き,その後に解説を読むことで「証」を導く力を鍛える
主な対象は初学者~中級者。特に基礎が終わって次のステップをめざす初級者の方
■本書の内容■
本書は,厳選した30の症例を取り上げ,まず患者情報を呈示したうえで,その治療についての解説を鍼灸・湯液2つの面から行ったものです。
解説を読む前にまず自分で証を導き処方や配穴を考えることで,弁証論治のトレーニングができます。取り上げた症例は実際の臨床例で,内科だけでなく整形外科・耳鼻科疾患など多岐にわたります。
長年,中医教育に力を注いできた経験豊富な著者らによる丁寧かつ実践的な解説で,初学者から中級者のトレーニング用として,また症例集としてすべてのレベルの人におすすめできる本です。
■本書の特徴■ |
◇ | 患者情報の呈示→自分で弁証してみる→解説を読む,の流れで弁証論治のトレーニングができる |
◇ | 呉先生(鍼灸)と高橋先生(湯液)による,弁証の結果,治療経過,症例分析,鍼灸・湯液治療の解説がわかりやすい |
◇ | 弁証は鍼灸・湯液にかかわらず,両方の先生の解説を参考にできる |
◇ | 解説では,弁証する際に陥りやすい鑑別点や,実践的なアドバイスがあり臨床に役立つ |
◇ | 実際の臨床例を呈示しているので,弁証論治のトレーニングだけでなく,症例集としても参考になる |
*本書は,『中医臨床』の連載コーナー「弁証論治トレーニング」の一部を
単行本化したものです。誌上では出題・読者回答・解説の形でしたが,
単行本化にあたって読者回答は割愛しています。
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◆著者略歴:
●呉 澤森(ご・たくしん)
1946年中国上海市生まれ。中医師。
1983年,上海中医学院(現・上海中医薬大学)大学院修士課程修了後,WHO上海国際鍼灸養成センター臨床指導教官。上海市鍼灸経絡研究所主治医師(のち教授)。
1988年1月,社団法人北里研究所東洋医学総合研究所研究員として来日。
1993年3月,日本はり・きゅう師資格取得。
同年,東京恵比寿に呉迎上海第一治療院設立。
2008年,上海中医薬大学鍼灸学院と提携,日本中医臨床実力養成学院設立。
神奈川衛生学園専門学校,日本医学柔整鍼灸専門学校などで非常勤講師を務める。
著書に『鍼灸の世界』(集英社),
『経穴の臨床実践 40穴の徹底活用術』(東洋学術出版社,2014年)がある。
●
高橋 楊子(たかはし・ようこ)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。
同大学中医診断学研究室常勤講師,同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳。
現在,上海中医薬大学付属日本校客員教授。日本中医薬研究会,日本中医食療学会,漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
雑誌
『中医臨床』(東洋学術出版社)の「弁証論治トレーニング」で出題と回答を連載中。
著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著,2005年)(2010年,韓国版出版),
『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』(東洋学術出版社,2007年),
『[実用]舌診マップシート』(東洋学術出版社,2012年)がある。